幹事クリタのコーカイ日誌2021

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1月16日 ● 共通一次試験の思い出。

 今日から大学入試共通テストが始まりました。僕は共通テストの前身のセンター試験の前身の共通一次試験の第1期生です。当時は「マークシート世代」「新人類」と呼ばれて大人たちから何かと揶揄された世代です。その後も「バブル世代」とか「ゆとり世代」などが登場していろいろと言われてきましたが、常に若者はそうやって大人から異分子として扱われるものですから気にしないことです。

 共通一次試験の導入はこれまでの日本の大学入試制度改革の中でも恐らく最大級の変化だったと思います。まず受験生全員が全く同じ試験を受けるということ自体が初めてでした。マークシート方式の試験、そして一期校二期校という二度受験チャンスがあったのが1回になってしまいました。さらに共通一次試験のあとに二次試験を各大学ごとに行うわけですが、共通一次の点数で足切りされてしまう東大のような大学もあり、それがまた受験生に大きな不安と負荷をかけました。

 と言っても、現役生の我々はまだマシでした。最初からそういう制度だとわかっていたからです。我々の1学年上は本当に可哀そうでした。浪人したら大変革の新制度です。浪人生のメリットである「経験」が生かされないどころか、浪人したら最初からマークシート慣れしている現役生より不利になるかも知れないのですから、何とか現役でどこかに滑り込もうという生徒も多かったと思います。

 新制度の難しいところはとにかくこれまでの蓄積が役に立たず予測がつかないところです。大学の人気も偏差値も変わってきますし、共通一次試験の難易度もやってみないとわかりません。東大が足切りをすると言っても、どのあたりが足切りのラインになるのかも簡単には読めませんから、願書を東大に出すのか京大に出すのか医学部にするのかというのも決めきれません。そんな友人が周りにはたくさんいました。

 僕自身は模試の段階からマークシート試験が大の得意で「マークシートの鬼」と呼ばれていました。今と違ってマークシート方式の試験の解き方を誰も知らなかったし予備校も教えてくれないわけですから、自分なりに研究するしかありません。そして僕は多くの模試を受けることで、答えがわからなくても正答を導き出すためのノウハウをいくつも発見していたので、本来の実力以上に共通一次試験には自信を持っていました。のちにマンガ「ドラゴン桜」を読んでいたら、当時僕が見つけていたノウハウをあれこれ教えていたくらいです。

 もっともそうやって地道に努力して実力を身につけるよりも、邪道な「裏技」で得点を稼ぐようなやり方で成功するのはあまり良いことではなかったと今になって振り返ればよくわかります。結果だけ出せば良いというのでは本当の継続的な成功は望めません。まあ今さらこの年になって反省したところで手遅れなのですが、残り少ない人生はもう少しちゃんとした実力を身につけられるように何事も臨もうと考えています。共通一次試験の思い出がそんなところに着地するとは我ながら思いませんでしたが。


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