幹事クリタのコーカイ日誌2020

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12月30日 ● レコード大賞は「炎」。

 ついにアニソンがレコード大賞を受賞する時代がきました。今年のレコード大賞はアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌でLiSAが歌った「炎」。2020年を代表する曲として相応しい曲が受賞したことにホッとしたと同時に、純粋なアニソンが大衆賞とか特別賞(今回「鬼滅の刃」が入っていますが)ではなく大賞をとったことに時代の変化を感じます。

 今年の大賞候補曲となる「優秀作品賞 」に選ばれたのは 、「I'm Here」三浦大知、「愛をください〜Don't you cry〜」純烈、「足跡」Little Glee Monster、「香水」瑛人、「世界中の隣人よ」乃木坂46、「猫 〜THE FIRST TAKE ver.〜」DISH//、「離れていても」AKB48、「母」氷川きよし、「Fantasista〜ファンタジスタ〜」DA PUMP、「炎」LiSA でした。世の中にある程度知られた曲は「炎」と「香水」だけですから、本来ならこの2曲の対決でしょう。

 ただ事務所の力関係で決まることで知られているレコード大賞だけに、今年はこのメンバーなら氷川きよしかなと思っていました。やはり長良グループのパワーと、「母」の作詞が先日亡くなったなかにし礼ということもあります。個人的にはDISH//の「猫」が良いなと思っていましたが、それはまずないだろうし、乃木坂46もAKB48も配信限定曲。YouTubeから火がついた「香水」も従来の売り方とは違っていますから反発があるだろうと予想していました。

 アニソンと言えばかつて「踊るポンポコリン」が大賞を受賞していますが、あれは国民的アニメの主題歌でかつ作詞作曲が織田哲郎ということで、狭いアニメ業界の曲ではなくポピュラーミュージックでした。しかし「炎」は歌手も作家もポップスというよりはアニメ界の人です。LiSAはアニソン専業というわけではないですが、昔からアニソンのタイアップ曲が多いですし、作詞作曲編曲者の梶浦由記は基本アニメ音楽が中心です。通常はそういう純度の高いアニソンはヒットしていても賞レースでは無視されます。昨年の「紅蓮華」も全く候補曲にもなりませんでした。それが今年は映画が空前の大ヒットとなったことで、無視できないほどの大きな存在になったということです。

 アニソンがレコード大賞をとったということは、いよいよ日本文化を牽引するアニメが大きな力をもってきて既成社会に認められてきたという意味で大きな意義があり、時代の変革が起きているという思いがします。「炎」のレコード会社はソニーミュージックですから、これで2016年から5年連続SMEです。ソニーの力もあったとは思いますが、やはり楽曲の力と時代の波に乗ったということでしょう。


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