菅総理がようやくGoToトラベルの一時停止を決断しました。札幌、名古屋を停止した上で、年末年始には全国で一時停止するそうです。これまでの「絶対に止めない」発言からいきなり真逆の決断に関係各所はてんやわんやの阿鼻叫喚という状態のようです。特に旅行会社やホテル旅館はキャンセル作業で大変なことでしょう。稼ぎが失われていく仕事で忙しいのは本当に心が磨滅するばかりだろうと思うと同情しかありません。

　こうなったのも政府の決断が遅すぎたせいですから、そこを野党やマスコミに批判されるのは致し方ないところです。とは言っても、それが支持率が急落したせいだとは言え、ようやく重い腰を上げたこと自体は評価されても良いと思います。これで年末年始の移動まで認めていたらさらに感染拡大は続くでしょうし、世の中も「GoToやってるんだから自粛してもしょうがないでしょ」という緩んだ空気のまま忘年会や新年会も続きます。それでは感染はいつまで経っても収まりません。

　後はどれだけ観光業や飲食業に補償を積み上げることができるかだと思います。この時期に稼げなければ間違いなく「もうもたない」というところが続出することでしょう。さらに医療業界、特に現場で奮闘しているのにも関わらずボーナスが出ないと言われている医師、看護師に手厚く支援をしてもらいたいと思います。何より今の状況下で守るべきは医療なのですから、人と金を惜しむことなくつぎ込むべきです。

　なお、これで「潮目が変わった」とか「早期解散総選挙しかない」などと政局の話ばかりを言っている議員がいるようですが、こんな時にそんなことしか思わないのかと心底がっかりします。自分たちの選挙のことばかり考えていて国民の生活や安全のことに心を砕いていない人間が国会議員をやっていることが腹立たしくてなりません。コロナがここまで拡大している時期に多額の税金を使って選挙をやって感染を広げるなんてあり得ない話です。コロナで命を脅かされている高齢者や基礎疾患のある人たちと、コロナで収入が途絶えてしまって自殺を考えているような人たちのことを思いやれない政治家は何としても落選させたいと思います。