幹事クリタのコーカイ日誌2020

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11月10日 ● 平成時代という歴史。

 ネットで話題になっていて知ったのですが、小学館の学習漫画「少年少女日本の歴史」には「平成の30年」という最新巻があります。平成がすでに歴史の本になっているということでネットがちょっとざわついたということですが、何より僕が驚いたのがこれが2018年に出ていたことです。てっきり令和になってから出たのかと思ったら平成30年に出版されたというのですから、小学館もなかなか見切り発車をしたものです。

 令和2年も終わろうとしている現在からすれば平成は終わった時代ですから歴史としてまとめられているのもわからないではないですが、それでも評価の定まっていない事柄は多々あると思います。まして現在進行形の平成時代にすでに出してしまうというのは、いくら子ども向けの学習漫画と言えどもちょっと性急過ぎないかという気はします。

 主として取り上げられているのは平成も前半の1990年代から2000年代のようで、消費税導入、バブル景気、55年体制の崩壊、冷戦の終了などは、平成といっても昭和末期からの一連の流れで起きたことです。地球温暖化などの環境問題、東日本大震災、エネルギー問題、格差社会などになるといかにも平成の歴史という感じになってきます。

 今の子どもたちにとって平成20年くらいより前は生まれていないのですから当然経験していません。人は自分が生まれる前のことは1年前でも2000年前でも等しく知らない歴史です。今の子どもたちの親世代にしても1980年前後に生まれたなら1970年代以前は歴史として感じることでしょう。オイルショックも大阪万博もアポロ月着陸も親世代にしてもすでに歴史なのです。

 その時代を生きて記憶にある世代にとっては歴史というよりは現実ですが、次の世代にとっては本能寺の変もベルリンの壁崩壊も東日本大震災も実感のない本で学ぶ歴史です。いつの間にやら「新人類」と呼ばれた自分たちが「歴史の生き証人」になってきたことを知り愕然とします。


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