幹事クリタのコーカイ日誌2020

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11月3日 ● エリートと叩き上げ。

 菅首相の人気の一端は「叩き上げ」という経歴にあるそうです。麻生とか安倍とか河野とか小泉とか、ボンボンで世襲政治家の家系に生まれてきた連中や、キャリア官僚出身のエリートは何となく「いけすかない」と思っている人たちがたくさんいるからでしょう。トランプ大統領の支持者も、民主党のエリート政治家が嫌いだという人たちが多いのだろうと思います。

 エリートへの反感と、その裏返しの憧れというのは政治家に限ったことではありません。例えばプロ野球でもエリートコースを歩んできた原辰徳のような選手もいれば「雑草魂」をキャッチフレーズにしてきた上原浩治のような選手もいます。スポーツ界だけではなく、音楽やアートの世界でも同様で、2世や3世で子どもの頃からエリート教育を受けてきたアーティストに対して、苦労して独学で学び、自ら道を切り開いてきた人もいます。

 僕は音楽やアートについては全くの素人ですが、知り合いにはそういう界隈の人たちもいて、話を聞くと実力の世界でありながら意外と「キャリア」が重要視されたりするところもあるそうです。演奏家はどこの音大を出て誰に師事をしてきたかということをすぐに聞かれるらしいですし、デザイナーでもどこの芸大出身か気になるようです。そして専門教育を受けてきたエリート同士でしか通じない話をしたがる傾向があるとか。

 テニスの世界でもジュニアの頃から全国大会で競ってきたとか、インハイやインカレに出たとか、そういうテニスエリートがいて、お互いの横の繋がりも強そうです。対して大人になってから趣味でテニスを始めてベテラン大会で活躍している叩き上げな人たちもいます。概して叩き上げの人たちは「インハイ」「インカレ」と聞くと「雑草魂」で闘志を燃やして向かっていきます。勝ち負けがはっきり決まるテニスの場合はエリートは不利だと思います。叩き上げは「負けてもともと」ですし、エリートはむしろ過去の栄光が足を引っ張ることにもなりかねません。

 僕もテニスの叩き上げ派の端くれになるので、昔は「インハイ」「インカレ」経験者と対戦すると気持ちで負けていたものですが、何回かそういう人を相手に試合で勝ったりすると逆に自信がついて、エリートに勝つと倍嬉しいと感じるようになりました。叩き上げの菅首相もあまり表には出していないですが、同じことを麻生、安倍に感じているのでしょうか。


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