幹事クリタのコーカイ日誌2020

[ 前日翌日最新今月 ]

10月14日 ● 史上最強のテニス選手は誰か。

 ナダルが全仏を制してフェデラーと並ぶ20個目のグランドスラムタイトルを獲得しました。この2人にジョコビッチを加えた3人は現役でありながらすでに記録の上では過去のチャンピオンたちを圧倒しています。そしてこれまではフェデラーがこそが史上最強だと思われてきましたが、ナダルに並ばれたことで改めて史上最強は誰かが問われるようになりそうです。

 まずフェデラーですがグランドスラムタイトル数以外にも多くの偉大な記録を保持しています。特に世界ランキング1位在位週数はグランドスラムタイトル数と並ぶ王者の証です。またツアータイトル総数、マッチ勝利数もコナーズに次ぐ史上2位であり、このまま現役を続ければ追い抜く可能性があります。キャリアが長いだけに通算記録ではフェデラーがやはり最強です。

 ナダルはフェデラーと並ぶグランドスラムタイトル数ですが、フェデラーとの直接対決で24勝16敗と圧倒しています。直接対決すればナダル有利なのですからナダル最強説もありです。さらに言えばジョコビッチには負け越しているものの僅差ですし、肝心のグランドスラム決勝での対戦成績では勝ち越しています。

 そのジョコビッチはグランドスラムタイトル数こそ17と少し2人を下回っていますが、直接対決の成績では両者に勝ち越しています。またグランドスラムに次ぐマスターズ1000大会での強さは際立っていて、すでにタイトル数ではトップ。しかも「ダブルゴールデンマスターズ」を達成しています。どのサーフェス、どの大会でもオールマイティに安定した強さを発揮していますし、3人の中では一番若いので、今後各種の通算記録でも1位に躍り出る可能性が十分にあります。

 どの競技であれ史上最強を語るときには違う時代の王者同士を比べるものです。アリとタイソン、ペレとメッシ、大鵬と白鵬、ニクラウスとウッズを比べるからこそ面白いのに、こと男子テニスに限っては現役の3人が果てしなく強いために逆に「幻の対決」の妄想ができません。本来ならチルデン、レーバー、ボルグ、サンプラスらと比べて史上最強を語り合いたいのに、それを3人が許さないのです。

 誰が最強でも構わないし、みんな最強でも良いのですが、直接対決を繰り返している3人だけに、どうしても記録で判断したくなるのでしょう。少なくとも人気ではフェデラー、ナダル、ジョコビッチの順番はハッキリしていて不動ですし、「最強」が誰であれ「最高」はフェデラーで決まりでしょうから、せめて史上最強だけでも議論の余地があって良かったのかも知れません。


gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」