幹事クリタのコーカイ日誌2020

[ 前日翌日最新今月 ]

9月22日 ● テニス人生をやり直すなら。

 ある年齢になると「人生をやり直せるなら」みたいなことを考える人も多いと思います。僕も自分の人生の中でターニングポイントがいくつかありました。大学進学の時、就職の時、結婚の時、などなど。ただどちらにしてもサラリーマンになるのなら現状と大きな違いはなかったのかもと思うので、よくよく考えるとやり直す意味をあまり感じてはいません。

 ただ趣味のテニスに関しては中学校の部活選びの時にテニス部を選んでいたら全然違っていただろうなぁとは思っています。当時テニスというのは「皇族のスポーツ」であり庶民がおいそれとできるものではありませんでした。まだ「エースを狙え!」によるテニスブーム以前の話です。僕の中学校には公立にしては珍しく硬式テニス部があり、テニスに興味があった僕は入部したいと思ったのですが、ラケット、シューズ、ウエアなどを揃えたら数万円かかると聞いて諦めました。家が貧乏だったので、とてもそんな大金を部活のために出してくれとは親に言えません。

 小学校の時に市民水泳大会で優勝したことがあったので、水泳部に勧誘されて入ったのですが、その水泳部の先輩たちの不良ぶりに呆れてすぐにやめてしまいました。その後は剣道部、バスケット部と転部を繰り返し、挙句に高校では先輩マネージャーの色香に惑って柔道部に入るという迷走を繰り返してしまいました。結局興味があったテニスを始められたのは大学に入って自分でアルバイトしてラケットを買えるようになってからのことです。

 もし親に頼み込んで何とか数万円を捻出してもらってテニス部に入っていたら、きっとテニスにのめりこんでいたことでしょう。当時中学から硬式テニスをしている子どもなんて中高一貫の私立校くらいなものでした。本当にまだ硬式テニスの裾野が狭かった時代なので、恐らくそのアドバンテージを生かして、うまくすればインハイ、インカレにも出られたかも知れません。そうしたら今頃はもっとテニスの世界での人脈も広がっていて、いろんなところでもっと偉そうにしていられたかもと思います。

 完全に「たられば」の話です。実際には大学生になっても家は貧乏なままだったので、週5のアルバイトで稼いだ金でテニススクールに通ってテニスを覚えました。テニス部に入っていたらバイトはやってられませんからバイト優先でテニスは週1のスクールだけ。部活とは無縁なままです。でも常に「テニスがもっとしたいなぁ」「もっと上手くなりたいな」ともどかしく感じながら学生時代も社会人になっても働いてきたお陰で、定年間際の今でもテニスに対するモチベーションが下がらないのですから、結局今の方がテニスを楽しめているかもとも思います。

 どうせ本当にやり直せるわけではないですから、妄想を楽しんで結論としてこれまでの人生を肯定するというのが一番落ち着くところでしょう。でも中学から部活でテニスしていたら、どこまで上にいけたのか試してみたかったというのは本音です。


gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」