幹事クリタのコーカイ日誌2020

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9月13日 ● 大坂なおみ全米優勝。

 大坂なおみが全米オープンで2度目の優勝を果たしました。全豪も入れれば3回目のグランドスラム制覇となります。決勝のアザレンカ戦は立ち上がりアザレンカが絶好調で勝ち目はないかと思われましたが、よく粘って立ち直って逆転しました。勢いで優勝してしまったような2年前に比べると、今回は勝つべくして勝ったという強さを見せつけての勝利です。

 今大会の大坂は前哨戦から続く黒人差別問題を訴えながらの出場でした。毎回黒人差別による犠牲者の名前を記した黒いマスクをかけて登場し続けました。こうしてスポーツ選手が政治的な問題を発信することを嫌う人たちはもちろんいて、かなりSNSでは大坂を非難するような声も見受けられましたが、大坂は全く動じませんでした。むしろこうした声を上げていることで、恥ずかしいプレーはできないという強い気持ちをもって試合に臨んでいたようです。

 大坂の強さは新コーチのウィム・フィセッテ によるメンタルと戦術面の進歩、そして新しいトレーナー中村豊によるフィジカルの強化の両輪がうまく融合した成果です。フィセッテはクライシュテルス、ケルパー、ハレプ、そして決勝の対戦相手だったアザレンカなどトップ選手をずっとみてきた「優勝請負人」です。データを駆使して相手を分析し冷静に戦術を立てる彼の指導が大坂のテニスを進化させています。

 また中村豊はかつて錦織やシャラポワのトレーナーを務めてきた世界的な名トレーナー。大坂のフィジカルを鍛えて体の軸がぶれないようになり、特にディフェンス力が格段に上がりました。フィセッテと中村のコンビが大坂という類まれな才能をさらに開花させました。しかもこの2人は大坂とチームになって日が浅いだけに、さらに今後の大坂はより強くなるだろうと思われます。大坂は単なるチャンピオンではなく、エバート、ナブラチロワ、グラフ、セレナらと並ぶようなレジェンド級のスーパースターになる可能性があります。


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