幹事クリタのコーカイ日誌2020

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8月6日 ● カズの引き際。

 J1横浜FCのFW三浦カズが5日のルヴァン杯・鳥栖戦に先発出場。同杯の最年長出場記録を「53歳5カ月10日」に更新し、これまでの42歳10カ月0日を大幅に塗り替えました。 驚異的な記録です。53歳を過ぎてサッカーのトップチームでプレーしていること自体があり得ません。そこに至るカズの節制と努力、克己心。どれほど厳しいトレーニングを自らに課しているのだろかと思います。

 ただ世界的に見てもトップリーグで50代の選手が活躍することなど考えられません。サッカー選手は30歳を過ぎたらベテランです。世界的な名選手でも30代後半になると欧州リーグでは通用しなくなりJリーグにやってきて大金を稼いで引退するのです。それなのに53歳の現役選手が許されていること自体、どれほどJリーグが特殊か、もしくはレベルが低いかと思われても仕方ありません。

 かつて張本が「カズはもう引退しなさい」とテレビで発言して物議を醸したことがありました。レジェンドに対して失礼な発言だと批判されましたが、とっくの昔にピークアウトしているカズがいつまでも現役にしがみついているのはいかがなものかと思っているファンも多いことでしょう。もちろん実際に戦力として通用しているのなら年齢は関係ありません。しかし今の、いやこの10年くらいのカズは戦力ではなく客寄せパンダとしてしか機能していないのです。

 僕はテニスのフェデラーのファンです。38歳(明後日で39歳!)にして未だに世界のトッププレーヤーとしてグランドスラムタイトルを十分に狙える実力を維持しているのは、選手寿命が短いテニス界では本当に稀有でスゴイことだと思います。いつまでも活躍してほしいと願っています。でもグランドスラムの前半で敗退するようなフェデラーは見たくありません。弱くなったフェデラーを見るのは悲しいです。きっと本人もその時はすっぱりと引退すると思います。

 結局のところ「美学」の問題です。ファンが望み、本人も望み、マーケットも望んでいるのならプロとして成立しているわけですから、引退を周りが強要するのも筋が通りません。レジェンドになればなるほど「引き際」が難しいのは、どのスポーツでも同じです。カズの引き際がどこにあるのか、カズ自身にももうわかっていないのかもと思います。


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