幹事クリタのコーカイ日誌2020

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8月4日 ● 旅行はOKで帰省はNG。

 コロナが再流行しているためにお盆の帰省は控えてという話と、GOTOキャンペーンでお盆休みに旅行を、という話がクロスしています。どっちやねん、と突っ込んでいる人が多くいますが、みんな本当にわかっていないわけでもないでしょう。単純に帰省は実家に宿泊するだけだから大して金にならないけれども、旅行は宿泊や観光、飲食で金が落ちるという違いです。

 コロナの感染拡大は食い止めたい、でも本格的に移動を規制してまた家にみんなが籠ってしまうと経済が立ち行かなくなり、倒産する企業が続出するからそれは避けたいというダブルバインドに有効な手立ては見つかっていません。観光業を守りたいのは政府中枢が業界と癒着しているからだ、という批判をネットや週刊誌で見かけますが、コロナ禍が起きる前、ほんの数か月前の日本は「観光立国」「インバウンド」がキーワードでした。

 デジタル、IT界隈で完全に世界に立ち遅れ、得意だったはずの製造業も生産拠点はどんどん海外に移っています。日本に残された道は海外、特に中国から観光客を呼び込んで金を落としてもらうことしかないと思っていたはずです。それなら大して投資をしなくても古い日本の社寺や和食、オタク文化、それに「おもてなし」の心で楽に儲けられそうだったし、実際インバウンドはかなり儲かっていました。

 観光業で濡れ手で粟の大儲けという目論見はコロナで一気に吹っ飛んでしまいましたが、かと言ってこのまま放置しておくと焼け野原になってしまいます。ホテルや旅館が一度倒産してしまったら、コロナが収まった時に、ハイそれでは始めますかと簡単に元に戻せるものでもありません。コロナの収束が1年後か3年後かはわかりませんが、いつかは収束しますし、収束したら間違いなく世界中で人々が大移動を始めます。その時にすぐに観光客を受け入れられるようにしておかないと大チャンスを逃してしまうのです。

 GOTOキャンペーンはホテルや旅館を守り、飲食店や土産物店を守るためのものですが、それは日本の近い将来の稼ぎを守るためのものでもあります。この夏を過ぎたら潰れてしまうところが山のようにありそうだから前倒ししてでもスタートさせたのでしょう。批判をするのは簡単ですが、話はそう単純なものではありません。

 とりあえず帰省は見合わせた方が良いでしょうし、旅行は気をつけながら行ける人は行ったらどうかなと思います。行く以上は盛大に金を落としてきて欲しいですから、夏休みにありがちな都会の学生が田舎へ貧乏旅行するのは感染を拡大するだけなのでやめておきましょう。今は金持ちがマハラジャのごとく金をばら撒いて歩く旅行だけが許容される世の中なのです。


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