幹事クリタのコーカイ日誌2020

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6月12日 ● 万能感の恐ろしさ。

 もうあちらでもこちらでも渡部建の不倫の話題ばかりで驚きます。コロナが霞むほどの威力があるとは思いませんでした。確かに報道される内容があまりにも酷いのでワイドショーが飛びつくのもわかります。今の日本ではこういう「叩いていい」案件が現れるとみんなが嬉しそうに叩きまくりますから、やっぱりネットとワイドショーはあまり見ない方が良いかもなぁと感じています。

 渡部がどうしてこうなったかという話題の中に「万能感」というワードが混じっていました。佐々木希と結婚し、お笑いだけではなくMCもやりグルメ評論家としても売れて、渡部が紹介した店はどこも予約でいっぱいになる。「世界の渡部」といじられても満更でもない顔をしていると。平たくいうと「調子に乗っていた」「天狗になっていた」ということなんですけど、その天狗の鼻の伸び方が半端じゃなかったということでしょう。

 この「万能感」を満喫している状態は僕も少しだけわかります。もちろん渡部に比べたらずっと低いところではありますが、自分でも「人生絶好調じゃないのかな」なんて思っていた時期がありました。あらゆることがうまくいっていると感じ、何でもできるような気がしていました。いま思うと我ながら勘違いしていたというか、調子に乗っていた恥ずかしい時期だったと思います。

 当然のことながら、そんな絶好調は長くは続きません。そして山があれば谷があるのが人生で、そのあとはずっと下り坂を下っていき、今でも「ゆっくりゆっくり下ってく〜」です。ただそれほど高い山ではなかったお陰で、谷もそこまで深くはなかったようで助かりました。あのまま調子に乗っていたら、きっともっと急坂を激しく転げ落ちて痛い目に遭っていたのではないかと思います。ソフトランディングできて幸いでした。

 この万能感の何が怖いかというと、自分を特別な存在だと感じてしまい、周りの平凡な連中とは違うんだと見下すようになることです。実際にそういう時は結果が出ているので、周りも特に注意しないし文句も言いません。仮に何か言われても結果が出ているから反省もしません。自分は誰憚ることなく好きなように生きられるし、不都合があっても何とかうまく切り抜けられるだろうと甘く考えています。もしあの時期が長く続いていたらどれだけ人生を踏み誤ったことか。

 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という諺がありますが、実際に調子に乗っている時にはなかなか頭を垂れるのは難しいものです。この年になってようやく謙虚でいることがどれほど難しく尊いかを感じ始めています。まだ時折往年の癖が出てしまうので気をつけないといけません。


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