幹事クリタのコーカイ日誌2020

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6月4日 ● 藤井七段タイトル挑戦へ。

 またも藤井七段が快挙です。第91期棋聖戦の挑戦者決定戦で永瀬拓矢二冠に勝ち、最年少タイトル挑戦を決めました。8日開幕の5番勝負出場時の17歳10カ月20日は、屋敷伸之九段が1989年12月に記録した17歳10カ月24日を30年ぶりに更新することになります。わずか4日の差ですが、ギリギリのところできっちり決めるあたりは本当に勝負強いと思います。

 デビュー以来数々の最年少記録を更新してきた藤井七段でしたが、タイトル戦挑戦には少々手間取りました。もしかしたらこの記録は微妙かと思われたところだったのですが、やはり本物の天才だなぁと改めて感じさせます。そして相手は渡辺明棋聖・三冠。昨年の朝日オープンで一度対戦して勝っているとは言え、三冠相手の五番勝負はまた全然違います。どんな将棋を見せてくれるのか実に楽しみです。

 将棋界の通算タイトル獲得数ではご存知のように羽生善治が99期と圧倒しています。以下大山康晴80期、中原誠64期、谷川浩司27期、そして渡辺明が25期で5位です。36歳の渡辺がすでに25期で谷川に追いつこうとしているのにも驚きますが、トップ3の圧倒的なタイトル数はやはり別次元です。いよいよ藤井七段がこれからこの高い山に挑戦を始めることになります。

 あの天才だった谷川が27期にとどまってしまったのは9歳年下の羽生という大天才が出現してしまったせいですが、渡辺もようやく羽生が普通の人のレベルになってきたと思ったら、若い藤井の出現です。この先はタイトル数を伸ばすことはかなり大変になりそうです。羽生の通算100期も将棋ファンみなが達成を望んでいますが、藤井がこれから本格化するといよいよ難しくなることでしょう。

 羽生に限らずゴルフのウッズやテニスのフェデラーのように一人の大天才が現れると前後の世代は大いに割を食うわけですが、藤井がそうなるかどうか、まずはこの棋聖戦が試金石になりそうです。


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