幹事クリタのコーカイ日誌2020

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5月21日 ● 黒川切りは三方一両損。

 産経新聞の記者によるリークで文春砲が炸裂し黒川検事長が辞職するという急転直下の政局ですが、いかにも裏がありそうな件で真相が知りたいところです。文春が本当にやるべきことは本当はこういう幕引きを画策した黒幕を暴くことでしょう。まあ知っていて今回の記事を書いたのかも知れないので、これ以上は暴くことはしない気がしますが。

 普通に考えれば安倍官邸の強引な黒川定年延長が裏目に出て政権の支持率が急降下したので、慌てて「黒川切り」をしたということだと思います。ただし何の理由もなく切れないし、切ったら間違った人事をしたことを認めなければならないので、官邸に近い産経記者に頼んで賭け麻雀をリークをしたというところまでは何となく想像がつきます。政権にとっても打撃ですが、「損切り」だと考えているのでしょう。

 以前前川文科事務次官を切った時と似ていて、スキャンダルをネタにして辞表を出させる同じ手口です。ただし前川は今や安倍政権批判の急先鋒になってしまったので、黒川にはそうさせなように裏で手厚くフォローをするのかも知れませんが、いずれにしても黒川は損な役回りをさせられました。自ら違法な定年延長を断って2月にやめておけば日本中に悪役として知れわたることもなかったのに、まさに晩節を汚してしまいました。

 検察法改正で安倍政権を追い込もうとしていた野党は格好のターゲットを失ってしまいました。さっさと黒川を辞職させたことで内閣支持率が回復する可能性すらあります。官邸、黒川、野党の「三方一両損」な大岡裁きです。かなりの策士が考えたに違いありません。産経新聞と朝日新聞は単純に損しただけですが、右も左も痛み分けなので渋々納得しているのか、それとも安倍への貸しを作ったと考えているのか。

 そして「ポスト黒川」についてはどうなるかも注目です。黒川切りを官邸が決断できたのも、次の「番人」が見つかったからなのかも知れないし、検察ととりあえず手打ちができたからかも知れません。ホリエモンがずっと言い続けているように検察とて正義の味方ではありません。キムタク演じる久利生検事は空想上の人物です。河井夫妻の取り調べとバーターという可能性もありますから、まずは今後の広島地検の動きに注目です。


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