「アベノマスク」に続いて今度は「アベノコラボ」がネットで大炎上しています。星野源が動画をアップしてコラボを呼び掛けて、多くのミュージシャンたちがコラボしたのに便乗して好感度を上げようという意図はわかりますが、あまりにもその内容が酷かったために「便乗狙い」がかえって浮き彫りになった形でした。好感度を上げるはずが逆にますます好感度を下げてしまったのですから、きっと今頃安倍総理は「なぜだ？」とこの動画コラボを提案したと言われる側近官僚たちに怒っていることでしょう。

　そもそも星野源は「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな？」と呼び掛けているように、音楽を愛している人たちに「表現」を行うように提案しています。それに対して総理自らが楽器を演奏するとか、ダンスをするとか、夫妻揃ってコーラスをするとか、何らかの表現を行ってみせたなら、そのレベルが低かろうが稚拙だろうが、ここまでの炎上はしなかったことでしょう。お茶飲んで犬を撫ぜるという動画では全く星野源の提案に応えていません。と言うか、星野源の意図を理解できていません。話題になった動画に乗っかって若者受けを狙っただけということが可視化されてしまい、「貴族か！」と突っ込まれるのも当然です。

　今回の件といいアベノマスクの件といい、総理とその周囲にはよほどセンスがない人間が集まっているのでしょう。星野源に乗っかろうとするアイデア自体は決して悪くなかったと思いますが、あの動画でOKだと思っているようなら、こういう案件には手を出さない方が良いでしょう。センスというのは学校の成績が良いこととは全く無関係です。そしてセンスのない政治家は、勉強のできない政治家と同じか、それ以上に無能だと思います。

　今回は「星野源の政治利用」と言われていて、星野サイドも全く今回のことは連絡がなく知らなかったと言っているので、星野源というブランドには傷がつかずに済みました。ただ芸能人も請われるまま政権にすり寄っていると、いつか痛い目に遭うこともありますから気をつけた方が良いと思います。