幹事クリタのコーカイ日誌2020

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1月17日 ● 高木守道さんとの思い出。

 ミスタードラゴンズと呼ばれた高木守道さんが亡くなりました。突然の訃報に驚きました。5日前に板東英二のラジオ番組に出ていて、ご本人もまだまだ元気なはずだったのに、人の運命はわからないものです。

 僕は四半世紀以上の長きにわたって高木さんと仕事をさせていただきました。僕の担当していたクライアントのイメージキャラクターだったので、いつも撮影のたびにお会いしていろいろな話も聞かせてもらいました。会うのは多い頃で年に数回、最後の頃は年に一度くらいでしたが、解説者の時でも中日の監督の時でも変わらず優しくにこやかな紳士で、「瞬間湯沸かし器」などという渾名の片鱗も見られませんでした。

 撮影のたびに野球の奥深い話をいろいろ聞かせていただくことが多かったのですが、本人が漏らした話で印象的だったのが巨人の堀内から受けた死球のこと。1968年、高木さんが最も脂の乗り切った時期で、打率も毎年3割前後をキープしていたのに、死球で意識不明になり、ようやく復帰しても、どうしても内角の球に無意識に腰がひけてしまうようになったということです。

 それ以来、打撃の調子を完全に崩してしまい、打率は急降下。数年かかってようやく少し良くなったそうですが、結局引退するまで死球を受ける前のバッティングはついに戻らなかったそうです。もしあの死球がなかったら通算安打も通算本塁打も通算盗塁もあんなものではなかっただろうと思うと本当にそれは残念だったようです。

 とは言え、高木さんの通算安打数2274本は歴代16位、通算本塁打数236本は歴代72位、通算盗塁数369個は歴代13位。プロ野球の歴史に残る名二塁手として守備では最高級の評価をされていますが、打撃も初打席初本塁打を記録するなど長打力もあり、ここぞでの勝負強さは天下一品。走攻守を高いレベルで兼ね備えた天才プレーヤーでした。

 超一流の野球人と若い頃から長年仕事をさせていただいたことは本当に人生の勉強になったと感謝しています。心からご冥福をお祈りいたします。


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