乃木坂46の１期生にしてエースである白石麻衣がついに卒業を発表しました。もっと早くに卒業するかと思っていましたが、年下の生駒里奈や西野七瀬より遅れたのは少々意外でした。さすがに4期生がフロントに立った昨年9月発売のシングル「夜明けまで強がらなくてもいい」を経て卒業を決意したそうです。ファンからしたら初期からここまで乃木坂46を牽引してきた白石に感謝して送りだす気持ちでしょう。

　ただAKB48の衰退が前田敦子や大島優子の卒業が大きな引き金となったように、乃木坂46も西野七瀬と白石麻衣の卒業が下り坂への契機になるだろうということは以前から予想されてきました。AKB48という船は沈没までそこそこ時間がかかりましたが、国民的ヒット曲がないし、グループアイドルの時代が黄昏時に近づいているだけに、乃木坂46も今後は相当の覚悟が必要でしょう。

　白石個人の今後のことを考えると、今回の卒業はもしかしたらすでにタイミングを逸している可能性があります。27歳という年齢はすぐにも大人の女優としての役柄を求められます。まして「可愛い」よりも「美人」が売り物だけに、アイドルからのイメージチェンジを早急に図る必要がありますが、これまでのファンがその変化についてきてくれるかどうかわかりません。

　さらに8年半も乃木坂に在籍してエースの看板を背負っていたことも新規ファン獲得にはマイナスに働く可能性があります。どうしても「乃木坂の」という枕詞がつくだけに、正当に評価をしてもらえないのは、いつまでも「AKBの」前田敦子と同じです。卒業後しばらくはドラマもバラエティも引っ張りだこでしょうが、一巡した後がどうなることか。ポテンシャルは決して低くないと思いますので、後はプロデュースの巧拙と役の巡り合わせでしょうか。