幹事クリタのコーカイ日誌2019

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12月17日 ● リレーか個人種目か。

 日本陸連がなかなかに驚くべき方針を発表しました。2020年東京五輪の100、200メートルの代表は400メートルリレーで金メダルを目指すため、個人種目の参加は1種目のみとする、というのです。個人種目を多く走れば疲れてしまうから、体力を温存してリレーを優先しろということです。リレーの方がメダルを狙えるからという意図もあるのでしょうが、だからと言って個人種目に出るなというのは、いかにも日本ならではの「滅私奉公」的な発想です。

 当然のことながら選手たちから即座に異論が続出しています。エースとなるサニブラウン・ハキームが早々に「個人両種目でメダルを獲るために練習している。リレーは二の次」と発言。小池祐貴や多田修平も同調しています。実際に走る彼らが同意してくれなくては陸連の計画も水の泡でしょう。ゴリ押しすれば選手たちのモチベーションを大きく下げてしまい、個人もリレーも冴えない結果になる可能性が大です。

 もともとが団体競技であるサッカーやバレーボールならともかく、個人競技の陸上において特殊な団体競技であるリレーを優先するような発想自体が異質です。長らく個人競技を続けてきて、個々に練習している選手たちが同意するとはとても思えません。メダルの可能性が高いリレーに照準を合わせた方が良いだろう、という言い分は、個人ではメダルが取れないんだから戦わずに諦めろと言っているのと同じです。納得するはずがありません。

 どれだけ「メダル至上主義」を批判されてきていても、相も変わらずこういう発想にたどり着くのですから、病は深いと言わざるをえません。このまま溝が深まりリレーチームが崩壊してしまう前に、さっさと今回の計画は取り下げた方が良いと思います。もしくはリレー専門の選手を選ぶかです。テニスなどのラケット競技ではダブルススペシャリストがいます。今の日本の短距離陣は層が厚いので、リレーのスペシャリストを育ててみてはいかがでしょうか。


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