幹事クリタのコーカイ日誌2019

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11月29日 ● 中曽根は嫌いだったけど。

 中曽根康弘が亡くなりました。101歳。大往生です。まだ生きていたのかと思うほど随分と昔の人になってしまいました。なにせ「三角大福中」です。ポスト佐藤栄作って、佐藤B作はおろか吉田栄作も知らない若者からしたら、そりゃ古い古い話になってしまいます。

 中曽根で思い出すのは「風見鶏」「カンナ屑のようにペラペラ燃える男」と評されたことです。うまいことを言います。「青年将校」などと囃されていましたが、いかにも薄っぺらな威勢が良いだけの右翼系の政治家という印象でした。先ほどの三角大福中と並べられても、もっとも軽量級で骨太さも存在感もないしリスペクトもされていない印象でした。

 ところが世の中は不思議なもので、その三角大福が揃って2年ほどの短い政権で終わったのに、なぜか中曽根だけが5年の長期政権を築き、挙句に「安竹宮」のポスト中曽根まで作ってキングメーカーとして君臨したのですからわからないものです。国鉄や電電公社の民営化とか、「レガシー」らしきものまで残しました。

 ただ実際にはいまの安倍政権に繋がるようなマイナスの功績の方が多かったと思います。アメリカ追従の外交政策も中曽根の「ロンヤス」「不沈空母」発言から今につながる負の遺産ですし、非正規雇用の蔓延も国鉄民営化が発端だと言われています。バブル経済を呼び今にいたる日本の経済的苦境を生んだのも中曽根内閣です。

 中曽根が首相を務めた1982年〜1987年というのは僕が大学4年生から卒業、就職、結婚、住居購入までの時期で、個人的には人生のビッグイベントが詰まった5年間でした。それだけに政治のことよりも自分のことで精一杯ではありましたが、確かに「あの頃」という手触りが今でも思い出される貴重な時代でした。


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