幹事クリタのコーカイ日誌2019

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11月28日 ● 政治家と嘘。

 ワシントンの桜の木の逸話は最近はもう流行らないのでしょう。政治家は言葉を武器として戦うものだという認識ももはや虚しいのが、いまの安倍内閣の惨状です。ひと昔前なら嘘をついた政治家は信用されず、大臣を罷免されるどころか議席を失うことも考えらえました。それが今や「息を吸うように嘘をつく」と言われる総理大臣が史上最長の在任日数を誇っているのです。海外のメディアで取り上げられ揶揄されるわけです。

 「桜を見る会」絡みで次々と暴かれていく嘘は呆れかえるしかないのですが、それをなんら証明もせずにただ否定するだけの内閣が倒れないということにも呆れますし、マスコミがきちんと報道も追及もしないことにはもっと呆れます。ジャーナリストも、検察も、官僚も、与党政治家も、みな嘘に嘘を重ねる内閣に協力するか口を噤むばかりで、ネットでは盛大に叩かれていても、ネットを見ない人にはきちんと伝わっていません。

 そもそも今回の桜疑惑は、モリカケと同根です。モリカケを虚偽の説明と資料の隠蔽でスルーできたのですから、今回も同じやり方で逃げおおせると思うのも無理はありません。そしてマスコミや野党や検察が力不足で内閣を追い込めなくても、選挙で有権者が「NO」を突き付ければ良かったのですが、いつの間にか有権者も嘘をつく政治家を許容するようになったのでしょう。腐臭も慣れれば気にならないように、政治家の嘘にも慣れたら「そんなものだ」と気にしないようになるみたいです。

 いま安倍内閣を支持している人は彼らの嘘に鈍感になっていて「そんなことよりも」と言います。そんなことよりも「経済」が、「外交」が、「安全保障」が、と。確かに政治家が多少の嘘をついて世の中をうまく回していくことは許容される部分はあります。正直なだけで無能な政治家もたくさんいました。ただその嘘が「国家」「国民」のためについている嘘なのか、政治家自身の「利益」「保身」のための嘘なのかは峻別されるべきです。

 そして何より本当にその嘘によって世の中が良くなっているのか、という評価がきちんとされることです。落ち込み続ける経済、遠のくばかりの財政再建、失敗続きの外交、改悪され続ける教育、広がり続ける格差と断絶。嘘をついても国民が豊かになっているのならまだしも、単に長く政権に座り続けたい「保身」のためだけに嘘をついているとしか思えません。

 ちなみに野党の国会での審議拒否という作戦もいかがなものかと思います。きちんと論議を尽くすべきです。すぐにこういうことをするから、いつまで経っても国民の支持が得られないということがわからないのでしょうか。もちろん、根本的に悪いのは与党ですが、野党がしっかりしていないことが与党をつけ上がらせていることも確かです。


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