幹事クリタのコーカイ日誌2019

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9月23日 ● シンジローかく語りき。

 シンジローはデビュー直後から一貫してパフォーマンスの人だと思っています。父親譲りのキャッチーなワンフレーズ、常に紋切りを避け、間を取っていかにも新しいことを言っているように語ります。具体性はなく「カッコいい」イメージだけを残します。そんなシンジローに胡散臭さを感じている人も多いことでしょう。

 シンジローが単なる若手議員のうちは、それでも良かったと思います。自民党のイメージキャラクターとして特にオバサマからの支持を集めてきました。しかし、イメージ戦略がうまく行き過ぎたせいか、いつの間にやら次期総理候補として名前が上がってきてしまいました。何もしていない、空疎でイメージ先行の若手議員に対して「総理候補」って、いくらなんでもそりゃないでしょと思うのが普通ですが、そうじゃないのが今の日本です。

 その人気に目をつけたアベちゃんは、シンジローを大臣にしてしまいました。ポジションは環境相。環境庁が発足した昔は、理想を語る「正義の味方」的なポジションでした。空論好きなシンジロー向きかと思わなくもありません。しかし、今や環境問題は昔よりはるかにシビアで現実的です。それだけ地球環境は本当に切羽詰まってきていて、理想論を語っていれば済む時代ではなくなったのです。

 そんな時代にシンジローはこともあろうに国連本部での記者会見で『気候変動のような大きな問題は楽しく、かっこ良く、セクシーであるべきだ』と何の具体論もない能天気な発言をしてしまいました。当然のごとく批判されています。日本国内なら、こういうシンジロー流の発言も微笑ましく受け取ってくれるかも知れませんが、さすがにニューヨークでやらかすのはどうかと思います。

 これが単に日本の環境相がお間抜けだということで笑い者になるだけならまだ良いのですが、日本は環境問題に対して後ろ向きだと国際的に見られているのに、そこへもってきてこんな環境相を新しく任命したのは、その「意味」を問われかねません。日本語なら「言語明瞭、意味不明瞭」も成り立たなくはありませんが、英語では単に「ちょっと何言っているのかわからない」となってしまいます。

 まあこうしてシンジローを目立つところに置いておいて、その評判を落として「次期総理候補」から引きずり落そうというアベちゃんの深慮遠謀だとしたら、それはそれで納得がいきますが、果たしてどうなんでしょう。


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