幹事クリタのコーカイ日誌2019

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8月15日 ● 007は二度死ぬ。

 台風のせいで予定していたテニスが中止になってしまい暇ができたので、昔に録画しておいた映画「007は二度死ぬ」を見ました。知らない人は知らないだろうと思いますが、1967年の007映画です。なぜこれをわざわざ見たかと言えば、日本を舞台にした作品だからで、知識としては知っていましたが、ちゃんと通して見たことはなかったので、ようやく見ることができました。

 映画としてはかなり荒唐無稽な作品ではありますが、それは007なら多かれ少なかれ共通しています。それよりも1960年代の映画全盛期の匂いがするのがたまらなく良いところで、無駄に金をかけてセットを組んだり空撮をしたりしていますし、日本でのロケ地も今では考えられないようなことをしています。旧蔵前国技館では実際に横綱佐田の山が出演してジェームズ・ボンドと会話をしますし、土俵上で取り組みをしているのも琴桜と富士錦という本物。また姫路城でのロケも今では許可されないそうですが、この映画のせいで許可されなくなったんだとか。

 日本人そっくりに変装したというジェームズ・ボンドですが、どこからどう見ても白人そのものなのはご愛敬ですが、出演している丹波哲郎や浜美枝がかなりアドバイスしたそうで、日本の文化風習は予想していたほど無茶苦茶ではありませんでした。映画にふんだんに登場する1960年代の日本の風景はとても懐かしく郷愁を誘います。東京では銀座四丁目や駒沢、代々木、地下鉄丸ノ内線、ホテルオークラなどが出てきます。秘密基地のロケ場所は鹿児島の漁村だそうですが、こちらもリアルな日本の当時の田舎の風景で、田舎で子ども時代を過ごした僕は「あー、懐かしい」と思いました。

 007シリーズ好きとしては、この作品がいつもの007映画のお約束をあまりやっていないことが興味深かったです。名前を聞かれて「ボンド、ジェームズ・ボンド」と答えるシーンもないし、タキシードを着て登場することもありません。ボンドがボンドカーを運転しないし、ボンドカーからミサイルも飛び出しません。そもそもMI6の本部が登場せずMもマネーペニーも潜水艦の中にいました。

 僕が劇場で新作の007シリーズを欠かさず見ていたのはこの作品のショーン・コネリーの時代ではなく、その後のロジャー・ムーアの時代なので、コネリーのボンドはあまり馴染みがないのですが、やはりムーアよりも「濃い」感じがいかにも時代を感じさせます。あの頃は「胸毛」がセクシーさの象徴でした。コネリー、加山雄三、長嶋茂雄、朝潮。もう胸毛がモテる時代は来ないんでしょうかね。


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