幹事クリタのコーカイ日誌2019

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8月10日 ● AI大相撲。

 昨夜NHKが放送した「どすこい!夢の大相撲〜令和元年 AI場所〜」。なんと歴代9人の名横綱をAIでCG化させて対戦させ勝負を決めるという、大相撲ファンが喜ぶのか、それとも怒るのかという微妙なスペシャル番組です。もちろん僕は見ましたが、結果もやはり微妙なものでした。

 まずは半年前に相撲好きな芸能人がそれぞれ自分の部屋にスカウトしたい横綱をドラフトで3人ずつ選びました。選ばれたのは若乃花(初代)、大鵬、玉の海、北の湖、千代の富士、曙、貴乃花、朝青龍、白鵬の9人。双葉山が入っていないのは、古すぎて映像データが乏しいからAIで解析できないという理由だそうです。デーモン閣下も言っていましたが、双葉山抜きで最強横綱論議は意味がないとは思いますが、これはまあ今回は仕方ないと諦めましょう。

 個人的には玉の海を選んでいるのは当然とは言え、よくわかっていると称賛すべきだと思いました。27歳という若さ、これからが全盛期という時に散った「双葉山の再来」玉の海はぜひともこの中に入れてほしい横綱でした。あとは曙の代わりに輪島でも良かったかなと思いますが、貴乃花と互角に火花を散らした曙も膝を故障するまでは本当に強かったですから歴代最強を決めるには相応しいかと。後の横綱たちは全て全盛時が少しずつズレているので、直接対決があったとしてもどちらが強いか判断が難しいところです。

 番組では残念ながら全ての横綱が総当たりをして優勝を決めるのではなく、3組に分かれて先鋒、次鋒、大将戦をするということでしたから、相性とかもあり結果はちょっと微妙でした。先鋒戦では若乃花、千代の富士、朝青龍のスピードがある横綱同士で千代の富士が連勝。若乃花が千代の富士にウルフスペシャルで投げ捨てられるのは衝撃映像でした。オールドファンは抗議をしたいところでしょう。「土俵の鬼」はそんなに弱くないと。

 中堅戦は玉の海、北の湖、曙。ここではなんと曙がまさかの連勝。玉の海は北の湖には貫禄勝ちすると思いましたが、さすがに曙は吊るには大きすぎたか。そして大将戦は大鵬、貴乃花、白鵬の時代を超えた大横綱対決。事実上の最強決定戦でしたが、白鵬が連勝しました。玉の海と大鵬を子どもの頃に応援していた僕としては、あまり納得できない結果でしたが、時代が違うと体の大きさも全然違います。大鵬や玉の海の時代に大型外国人力士など高見山くらいなもので、曙や白鵬のような大きな力士はいなかったのですから、こういう結果になってしまうのも納得はいきませんが仕方ありません。

 双葉山がいないことと、古い力士に不利なAIによる解析データは納得がいきませんでしたが、CGによる時代を超えた対戦カードは大相撲ファンとしては興奮できるものでした。続編に注文をつけるとしたら、立ち合いとか短期戦、長期戦に強い弱いだけではなく、まわしの取り合いや巻き替えのの上手さとか、土俵際での粘り腰の数値化とか、もう少し細かいパラメーターを用意してほしいところです。そうすれば若乃花、大鵬、玉の海、貴乃花はもっと強いはず。パワーとスピードばかりが相撲ではないのですから。


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