ゴルフの全英女子オープンで20歳の渋野日向子が初優勝をしました。渋野はまだプロデビュー１年で、海外ツアー初挑戦で初優勝。これ以上ないシンデレラストーリーです。正直3日目が終わってトップだった時点でもまだ優勝するなんて信じられず、最終日に順位を下げたところで「ああ、やっぱりか」と諦めて寝てしまいました。まさかそこから見事な逆転優勝をするとは本当に驚きました。

　彼女の良さは何よりあの笑顔とキャラクターと度胸。カラッとしていて明るく素直で、優勝した瞬間も顔を覆って「泣くかと思ったけど涙が出なかった」と笑わせました。こうした言葉のセンスの良さもあって、誰もが好感を持ってしまいます。日本だけではなく海外でもきっと人気が出ることでしょう。

　ユーモアのあるところは大坂なおみ、笑顔のチャーミングさは高橋尚子を彷彿とさせる渋野ですが、まだプレーヤーとしてスタートしたばかりですから、これからが大事です。デビューからすぐに日本ツアーで２勝を挙げて畑岡奈紗、勝みなみ、小祝さくら、河本結、原英莉花、新垣比菜らと同じ「黄金世代」のひとりとして既に期待はされていましたが、樋口久子以来のメジャー勝利というエポックメイキングな快挙を成し遂げた以上、単なる将来有望な若手選手の中のひとりではなく、ゴルフ界を代表するスター選手として注目されます。かかってくるプレッシャーもこれまでとは全く違うことでしょう。

　できることなら今のキラキラした笑顔のまま、これからも勝利を積み重ねていってほしいと思います。もともと「黄金世代」の中でも独特のキャラクターで突き抜けていた渋野ですから、そう簡単にプレッシャーには潰されないかも知れませんが、何といってもまだハタチですから、これから周りが上手にサポートしてほしいところです。