幹事クリタのコーカイ日誌2019

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8月4日 ● 甦る高校時代の「会食会」。

 昨日の高校の同窓会。会長のモリタが「こんなものが見つかった」と取り出したのがびっしりと数字が書いてある古い紙がどっさり。「あの徹夜の記録だよ」というので、一瞬で全てを思い出しました。高校2年の時の仲間5人が徹夜で遊びつくしたゲーム大会の記録です。もちろんゲームと言っても1978年の話ですからコンピュータゲームではありません。トランプ(と硬貨を回すオリジナルゲームもやりましたが面倒なので説明しません)です。

 クラスで仲が良かった男ばかり5人組が「会食会」と上品に呼んでいたその徹夜ゲーム大会を最初に開催したのは、確か高校2年が終わった春休みくらいだったんじゃないかと思います。モリタは当時ひとり暮らしをしていて、定期試験も終わって開放的な気分になっていたので、仲良しメンバーで彼の家でパーティをしようと集まることにしました。

 メンバーはクリタ、モリタ、ゴミ、ツムラ、タケムラ。なぜその5人だったのかは定かではありませんが、多分高校2年の時にこのメンバーで校外模試を腕試しに受けに行ったことが複数回あって、その帰りに答え合わせと称してマクドナルドでずっと喋って遊ぶのが定例でした。それを本格的にやってみたかったのかも知れません。とにかく近くのダイエーで食材を買い出しして、みんなで料理を作って食べました。もっとも僕とツムラは料理が全然できなかったので、ほとんど作ることに関しては蚊帳の外でしたが、とにかく5人で食卓を囲んで自分たちで作った料理を食べてワイワイと喋るのが楽しかったことだけは確かです。

 その後でじゃあゲームをやろうかとなってからが大変でした。なぜか訳もなくテンションが上がってしまって、深夜になっても終わろうとは誰も言い出しません。結局朝まで徹夜でトランプをやりました。それが異様に楽しかった我々は、高校3年に進級して全員クラスはバラバラになったにも関わらず、定期試験が終わるたびにモリタの家に集まって「会食会」を開催するようになりました。受験生が何をやってるんだよ、という話ですが、受験のストレス発散と思えば、たまに羽目を外して遊ぶのも悪いことではなかったと思います。

 最後の会食会は大学受験が終わって合格発表の前日でした。いつものように朝まで徹夜トランプをして、そのまま僕の合格発表をタケムラを除く連中で見に行くことになりました(タケムラだけはその日京都で発表、他の3人はその翌日に東京でした)。合格発表の会場で紙が張り出されるまでまだ我々はトランプの続きをやっていたので、僕が大学に入ってから同級生に「あー、あのトランプやっていた人たちのこと覚えてる!」と言われてしまいました。無事に合格していた僕はモリタ、ゴミ、ツムラに万歳をされて派手に祝福されて、その模様が夕方のローカルニュースで報じられました。

 高校時代、一番楽しかった思い出だったあの「会食会」。写真も何も残っていませんから、我々の記憶以外の唯一の証拠が突然40年ぶりに出てきて本当に驚きました。もっとも5人の誰一人として歴史に名を残すような人間にはならなかったので、貴重な資料とは全く言えない、ただの紙屑ですが。


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