幹事クリタのコーカイ日誌2019

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7月31日 ● お笑いの世代交代。

 「お笑い第3世代」という言葉があります。とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンに代表される1980年代後半に一気に波に乗ったお笑い芸人たちのことで、他にもB21スペシャル、野沢直子、山田邦子、ダチョウ倶楽部、ホンジャマカ、出川哲郎などがいました。僕と同世代から少し下で、彼らの「ねるとん紅鯨団」「夢で逢えたら」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」なども見ていました。

 ちなみに第3世代という言葉ができたことで、第2世代(ビートたけし、明石家さんま、島田紳助、タモリ、所ジョージら)、第1世代(コント55号、ザ・ドリフターズ、桂三枝、林家三平ら)も識別されるようになりましたから、そういう意味でも第3世代の勢いとパワーは印象的で、20代で彼らは冠番組を持ちテレビ業界を席巻していました。

 で、その後を追ったのが第4世代以下の芸人たちです。第4世代がナインティナイン、雨上がり決死隊、FUJIWARA、極楽とんぼ、ロンドンブーツ1号2号、さまぁ〜ず、くりぃむしちゅー、ネプチューンといった面々。言わば今回の「吉本お家騒動」の中心世代です。第5世代はタカアンドトシ、バナナマン、中川家、フットボールアワー、おぎやはぎ、チュートリアル、南海キャンディーズ、サンドウィッチマンなど、第6世代はオードリー、NON STYLE、東京03、ロバート、ハリセンボン、千鳥、ナイツ、トレンディエンジェルなどということですが、正直この第4〜第6世代の間には明確な区切りは感じられません。爆笑問題は第3世代と第4世代の狭間ですし、有吉弘行は第4世代ながら再ブレイクしているので立ち位置は第5世代的です。

 そしていまは第7世代という平成生まれの芸人が持て囃されています。霜降り明星を筆頭に、ハナコ、コロコロチキチキペッパーズ、ゆりやんレトリィバァ、濱田祐太郎、ミキ、ブルゾンちえみ、宮下草薙、EXIT、四千頭身、ガンバレルーヤというところだそうですが、この1年くらいの間に一気にブレイクした芸人たちですから、まだまだ先はどうなるかわかりません。

 なぜこんな世代の区切りにこだわるのかと言えば、要はお笑い芸人の世界が恐るべき高齢化社会、もしくは「老害業界」になっているということです。さすがに第1世代は志村けんを残してほぼ第一線から退いた感はありますが、第2世代、第3世代が長年業界を牛耳り過ぎていてなかなか席が空かないのです。60代はおろか70代ですら最前線なのですから、20代の若手はもちろん30〜40代の中堅すら入る隙間がほとんどありません。吉本芸人6000人とか言っても、そりゃいつまで経っても大半の芸人が食えないわけです。

 世代交代が起きない原因はなんでしょう?僕はテレビ業界自体の高齢化にあると思っています。いつまでも年寄りが年寄りに向けて番組を作っているからです。若者は自分たちにとって面白いコンテンツがないからテレビを見なくなり、それによってますます番組のターゲットが高齢化していく。当然昔からテレビに出ている馴染みのタレントたちが幅を利かすということになります。若手から中堅の芸人は食えないから闇営業に走るし、そうなると反社とのつながりも生まれます。テレビが全てではないはずですが、実際に食えるのはテレビで顔を売った芸人ですから、テレビに売り込んでくれる芸能事務所の力が強くなり、その結果事務所から所属タレントへのパワハラが起きます。

 今回の吉本騒動の元を辿れば、世代交代、新陳代謝がうまくいっていないお笑い業界全体の問題から派生しているということになります。そしてそれを望まないテレビ局が片棒担いでいるわけで、やっぱり「老害」というのはどこにもあって困ったものです。


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