幹事クリタのコーカイ日誌2019

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7月9日 ● ジャニーさんが残したもの。

 ジャニー喜多川社長が亡くなりました。87歳。日本の芸能史に大きな足跡を残した人です。良い話だけではなく悪い噂もありましたし批判もありましたが、彼が作ったジャニーズ事務所から次々と生まれたアイドルたちがどれほど多くの人たちを長い間にわたって楽しませ幸せにしてきたかということを考えると、本当に偉大なプロデューサーでありクリエーターであったと思います。国民栄誉賞にも値する人物でしょう。

 僕たちの世代ではさすがに初代ジャニーズは覚えていません。あおい輝彦はソロになってから知りました。なので我々世代の最初のジャニーズアイドルはフォーリーブスです。同級生の女の子でもター坊派、コーちゃん派がいました。森田健作の青春ドラマ「俺は男だ!」にゲスト出演してドラマのヒットの起爆剤になりました。「踊り子」「ブルドッグ」などのヒット曲も印象深いです。

 そして郷ひろみ。新御三家の中でも圧倒的なアイドル性と異質な存在感。これまでの日本のタレントの延長線上にはいなかった新しさとオリジナリティがありました。そしてバラエティやドラマでのマルチな活躍と、いまのジャニーズタレントの基本形を作りました。ジャニーさんは郷ひろみで成功の方程式を見つけたのでしょう。

 その後、郷ひろみの退所が響きジャニーズ事務所はしばらく停滞期が続きます。いまのジャニーズ帝国の発端となったのが「たのきんトリオ」でした。田原俊彦がデビューした時に、ずっと年下だと思っていたのにまさか同い年だとはとても信じられず、同級生たちの間で衝撃が走りました。田原から男性アイドルの「幼さ」が「可愛さ」としてアピールポイントになるようになりました。以降、近藤真彦、シブがき隊、少年隊、光GENJIと立て続けにデビューしてジャニーズ事務所は確固たるブランドになったのです。

 そしてプロデューサーとしてのジャニーさん最大のヒット作品は何といってもSMAPです。アイドル冬の時代に敢えてバラエティを主戦場に選んで笑いのセンスを鍛え上げるとともに、積極的にドラマにも出演させて俳優としてのジャニーズも確立させました。アイドル歌手だけではなく幅広くテレビの世界に売り込んでいき、グループでありながら個の力もアップさせることでメンバーが個人でも独立したタレントとして活躍できるようになり、さらにそれがグループのパワーも増幅させるというプロデュースの仕方は見事でした。

 残念ながらジャニーさんのような天才の後は誰も継ぐことができません。ジャニーズ事務所は今後どんどんパワーを落としていき、これまでのように芸能界を制するような影響力を持つことは難しいことでしょう。今はまだ事務所に残っている有力なタレントたちも次々と離れていくことも予想されますし、他からもライバルとなるような男性アイドルが今後続々と登場します。それでもジャニーさんが生み出し残したものは大きな芸能界の財産です。マンガの世界における手塚治虫のような役割を、彼はアイドルの世界で果たしました。ご冥福をお祈りします。


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