気がつけば随分と健康に気を遣うようになっていました。若い頃は誰でも大抵そうだと思いますが、無茶しても平気、というのが自慢のようなところがあり、健康に気を遣って生きるなんてカッコ悪いことできるかよ、という感じで過ごしていました。年を経るにつれて、いつの間にかそんなことは言わなくなりました。と言うか、言ってられなくなりました。年寄りは病気の話ばかりしているというのは本当で、実際に還暦が近づいてみると誰もが調子の悪いところを抱えて生きています。

　ダイエットは繰り返ししていますが、昔は見た目やモテるためでしたが、今は高血圧や高脂血症のためです。これだって30代なら簡単に体重が落ちました。ちょっと食事を制限して運動をすれば簡単に痩せたのですが、この年になるとそう簡単ではありません。これだけ節制しているのになぜ体重が落ちないんだとイヤになるほどです。もちろん一度怪我をしたらいつまでも治らないので、テニスコートでおいそれと転ぶこともできません。昔ならベッカーのようにジャンピングボレーだって披露してやるぞという意気込みでしたが、いまそんな恐ろしいことやったら後の始末が大変です。

　寝不足は大敵なので睡眠時間はしっかり取るようにしています。若い頃はあんなにやっていたゲームからすっぱり足を洗ったのも、ゲームは間違いなく睡眠不足になるから。ストレスもすぐに体調に影響するので、トラブルは避けて通るし、イヤなことがあったら気にしないで忘れることを心掛けています。特に終わったことをいつまでもクヨクヨしてはいけません。これから起きそうなリスクを避けるために考えるのは意味がありますが、過ぎたことを振り返って後悔しても無意味です。

　テニスをすればもちろんマッサージや鍼灸に通って体のケアをします。さらに日焼けによる肌の炎症を防ぐために化粧水だって吹きつけています。対処療法よりもまず予防が大事なのです。スマートウォッチを毎日装着して心拍数を測り歩数を記録しています。歯磨きもきちんとブラッシングしてデンタルフロスも使いプラークを落としますが、さらに３か月に一度は歯医者に通って定期検査とクリーニングも欠かしていません。眼科の検診は年に１回です。

　もともとタバコは吸いませんし、酒もせいぜい月に一度あるかないかの外食時に軽くビールを飲むくらい。毎日の晩酌は１年半前からすっぱりやめました。食事はまず野菜から。水分をしっかり摂ることも忘れていません。会社帰りに１駅か２駅歩きます。テニスは最低週に２回合計６時間。筋トレも週に２〜３回。腕立て、腹筋を各100回とスクワット50回をやって、後はその時に適当に気が向いたメニューを加えます。

　これだけあれこれやって、それでも何にも考えずに無茶していた20代の頃の体調体力には到底及びません。若さって本当にうらやましい宝物ですが、若い時にはそれがわかんないから仕方ないです。今だって70代80代から見たら「若くて羨ましい」のかも知れませんし。