大関貴景勝が名古屋場所を休場することを発表しました。先場所膝の故障で新大関ながら途中休場している貴景勝は今場所がカド番。休場するとなると大関から陥落します。当初貴景勝は強行出場する意向だったらしいですが、千賀ノ浦親方が説得して休場を納得させたようです。

　稀勢の里が無理をして短命横綱に終わった記憶が新しいだけに、この決断は当然と言えば当然ですが、立派だったと思います。まだ若く未来のある貴景勝がここで無理をして治る怪我を酷くしてはいけません。来場所10勝すれば大関に復帰できますし、しっかり万全な体調で臨めば貴景勝にはそれだけの実力は十分あります。

　また仮に復帰に失敗しても、若いだけに今後いくらでもチャンスはあることでしょう。将来横綱を目指すなら、これくらいの足踏みは大したことはありません。むしろこれをバネにしてひとまわり大きく成長することも期待できると思います。稀勢の里に限らず多くの力士がこれまで無理をして土俵生命を短くしてきました。貴景勝には同じ轍を踏んでほしくはありません。

　高校野球でも球数制限が設けられることになりましたが、ようやく根性論がはびこる古臭い日本のスポーツ界でもアスリートの体調管理について真剣に考えられるようになってきたのでしょう。大相撲と高校野球は「古臭い」代表ですから、それだけにこういうニュースは時代が変わってきたことを象徴していると思います。