幹事クリタのコーカイ日誌2019

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6月3日 ● チョレイ!錦織。

 どうしてこう毎度毎度ハラハラさせる展開になるのか不思議な錦織です。全仏3回戦を4時間半の大熱戦で何とか勝ち抜いた錦織は4回戦のブノワ・ペール戦は順当に勝てそうでした。6-2、6-7、6-2とあと1セット取ればナダルの待つ準々決勝進出が決まるというところで日没サスペンデッド。イヤな予感はしました。リードしている時はそのまま続けた方が良いに決まっています。日をまたげば全くお互いの調子も変わるし流れも変わってしまいます。

 思い出すのは1996年ウィンブルドン女子準決勝。そう、伊達公子がグラフを追い詰めながら日没サスペンデッドで翌日に持ち越された試合。あの流れなら伊達は勝てたのではないかと思いましたが、翌日になってグラフがすっかり立ち直ってしまったあの試合です。もし準決勝がサスペンデッドにならず伊達がグラフに勝っていたら、そのまま決勝でもサンチェスを破って日本人初のグランドスラムシングルス制覇は大坂なおみではなく伊達公子だったのではないかと思います。

 伊達も錦織もスロースターターという共通点があります。せっかく対戦相手の球筋や戦術に慣れてきたのに、また一から仕切り直しの短期決戦は不利。案の定、今日の錦織は肝心なところでミスを続けてしまい、マッチポイントを2度も握りながらタイブレークで第4セットを落とし、3回戦に続きファイナルセットにもつれこませてしまいました。

 そのファイナルセットも先にブレイクされたのは錦織。3-5でペールのサービング・フォー・ザ・マッチとなった時には「もうダメだ」と思いました。ところが相変わらず錦織はここからが強いです。開き直ったかのような攻撃的テニスでガンガン攻めていきます。連続でブレイクして最後は7-5で勝ってしまいました。異常なまでの勝負強さ、まさにフルセットキングです。

 最後にカメラにサインをしたときになぜか「チョレイ」と書いた錦織。最初から受けを狙っていたのかどうかはわかりませんが、まさに張本がポイントを取ったときと同じように「チョレイ!」と叫びたいような心境だったのでしょう。それほど苦しい試合、ギリギリの試合でした。そして休みなしの3日連続試合で準々決勝のナダル戦に挑みます。疲労困憊の錦織にほとんど勝ち目はないことでしょう。僕の予想スコアは1-6、2-6、2-6でストレート負け、もしくは途中棄権もあるかも知れません。それでもベスト8まで進んだだけでもう十分です。


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