幹事クリタのコーカイ日誌2019 |
5月28日 ● いい音ってなんだろう。 サックスを習い始めて10年。少しずつ上達はしてきていると思います。数年前の発表会の動画と、ここ1年の発表会の動画での演奏を比べてみても、安定感が増してきているのがわかります。自分の演奏について言うのも変ですが、安心して聴いていられるようになってきました。 この「安心感」はどこから生じるのかと言えば、まずはピッチ。サックスはピアノと違ってドの音がなる指の押さえ方をして吹いても、必ずしも正しいドの音が出るとは限りません。ピッチを安定させるための口の形や息のスピード、量などをコントロールすることが必要です。初心者のうちはこれが難しかったのですが、10年もやっていれば当然のことながらある程度は安定してきます。 また正しいリズムを刻むのも苦手でした。これは未だに怪しいのですが、長年やってきた成果で最初の頃よりはマシになってきています。タンギングも含めて、ピッチとリズムに安定感が出てくれば自然と安心感のある音楽になってくるものです。また自分の技術が向上してきていることによる自信と、場数をこなしてきたことによる慣れも、安心感につながっているのでしょう。 ただ相変わらず自分ではよくわからないのが音質です。サックスというのはいかに「いい音」で吹くかを探求するようなところがある楽器ですが、この「いい音」がとにかく正解があるようでない、もしくはいくつもの正解があるから難しいのです。自分の出している音が本当に「いい音」なのかどうか、それは10段階評価で言えばいくつくらいなのか、そういう数値で表せるようなデジタルな評価が出るわけでもないから迷います。 楽器を変え、マウスピースを変え、リードを変えて試行錯誤を繰り返していますが、何が正解なのかわからないままやっているので、いつまで経っても「これだ!」とは思えません。今回の発表会の動画を見てもらった多くの人から「音が良くなった」と誉められました。ありがたいのですが、それは20点が50点になったのか、60点が80点になったのかもわかりません。 「音が豊かになった」とか「芯が通ってきた」とか「広がりが出てきた」「遠くまで届くようになった」という誉め方をされる場合もありますが、いずれにしても数字で表現できるようなものでもないだけに、何となく誉められてもピンとこないところがあります。恐らくこれからの10年は「いい音」を追究していく10年になるような気がしています。 |