セ・リーグを３連覇している広島カープが開幕から５カード連続で負け越し。ダントツの最下位で喘いでいます。「丸が抜けた」「新井が引退した」ことなどが原因として取り上げられていますが、それだけではなくやはり「連覇疲れ」があるのではないかと僕は見ています。開幕直前予想で優勝はないのではないかと書いた通りになっています。

　優勝すると疲労します。ずっと緊張したシーズンを送った上に、ポストシーズンも戦い抜きます。そしてオフには優勝したことでイベントがたくさんあって、心身を休められる期間が短くなってしまいます。それが１シーズンだけでも大変なのに、３連覇ともなれば疲労が蓄積してきて当然です。

　しかも勝つことに慣れたせいで、どうしても緊張感が薄れ、気の緩みもおきるでしょう。先日１イニングで12点を取られた時などは完全に気が緩んでしまって立て直せなくなってしまったとしか思えませんでした。さらに勝ち続けるとレギュラーが固定されてきますから、ポジション争いもありません。競争にさらされていない選手に進化は望めません。打てないし守れないのはレギュラー陣にどこか隙というか、甘さがあるせいではないでしょうか。

　とは言え、個々の選手の実力は確かですし勝ち方を知っているチームだけに、このスタートの失敗も今後は徐々に取り戻してくると思います。他が抜群に強いわけではないですから、追いかけるのはさほど難しくありません。ポイントは例年と同じく交流戦でしょう。セ・リーグは各チームがみな交流戦で負け越すのが当たり前だけに、自分たちだけが勝ち越せれば一気にリーグ内での順位は急浮上できます。逆にいまの不調を引きずったまま交流戦に入ってしまったら、広島は今季Ｂクラスに沈んでも不思議はありません。どこで立て直すきっかけを作るか、緒方監督の手腕が問われるところです。