幹事クリタのコーカイ日誌2019

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3月4日 ● 2009年3月4日のAKB48。

 今からちょうど10年前の2009年3月4日にAKB48の11枚目のシングル『10年桜』がリリースされました。当時のAKB48は生き残りをかけた必死の時期です。2006年にデビューしながら当初の話題ほどは売れず、前年の2008年にはレコード会社との契約を解除になり、なんと配信限定でシングルを出さざるを得ないほど苦境に陥っていました。

 2008年10月に移籍したキングレコードからリリースした10枚目シングル『大声ダイヤモンド』ではオーディションに合格したばかりの11歳の松井珠理奈をいきなりセンターに抜擢したほか、5期生の北原里英、宮崎美穂、指原莉乃を選抜入りさせるなど大胆な若返りを打ち出して、何とか再起を図っていました。

 その甲斐あって『大声ダイヤモンド』でオリコンチャート週間3位という最高記録を達成したのを受け、『10年桜』では前田敦子、松井珠理奈のWセンター、4期生の藤江れいな、倉持明日香、そしてSKE48から松井玲奈を初選抜入りさせ、さらに世代交代を進めるとともに、MVでは前作に続き高橋栄樹が監督をつとめたショートムービー仕立てでメンバーの個性を際立たせる戦略で、後のAKB48の王道路線を作りました。

 この『10年桜』で初めてセールスは10万枚を超えオリコンも前作に続き週間3位を達成。とは言え、一般的な知名度はまだまだ低く、ブレイクしたとは言いがたいのですが、ここからAKB48が再スタートし一気に加速度をつけてテイクオフしていったということで、古いファンの間では極めて支持が高い作品です。

 キャッチコピーは「2019年、僕はどこで 何をしているのだろう?」。作品のテーマは高校を卒業して10年後の未来。MVでは前田敦子、大島優子、高橋みなみ、板野友美、小嶋陽菜、渡辺麻友がそれぞれ10年後を演じていて、大島優子は妊娠をしている設定でした。当時のAKB48の状況からしたら、10年後の2019年にグループが存続しているとはほぼ考えられず、彼女たちの大半も芸能界で生き残っているとも思っていなかったことでしょう。AKB48としての10年後がやってくるなんて夢物語だったのです。

 あれから10年。人気はすっかり下り坂になったとは言えAKB48はまだ健在です。握手会の力とは言え曲を出せばミリオンですし、紅白歌合戦にも出場を続けています。当時はSKE48しかなかった姉妹グループは海外にまで広がりました。2009年3月には想像すらもできなかったほどの大成功の未来です。

 『10年桜』の選抜メンバーのうち峯岸みなみ、柏木由紀、宮崎美穂、指原莉乃、松井珠理奈はグループにまだ在籍しています。篠田万里子は先日結婚を発表し、MVの大島優子ではなく前田敦子が妊娠し、なんと今日出産が公表されました。当時を知る古参ファンにとってはなかなかに「エモい」10年後になりました。改めて『10年桜』のMVをじっくり堪能したいと思います。


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