還暦まであと２年という初老のしょぼくれたオヤジに未だにチョコレートをくれる心優しい女性がいるというのは本当にありがたいことです。今年もバレンタインデーに何個かチョコをいただきました。改めて感謝です。

　初めてバレンタインデーを知ったのは小学校５年生の時でしたから1972年の２月ということになります。女子たちがなにやらザワザワと騒いでいて、何でも「好きな男子にチョコを渡して告白する日」だという衝撃的なニュースが田舎の小学校に伝えられました。女子たちの騒ぎにピンときていない男子も半数以上いましたが、中には「そりゃえらいこっちゃ、貰ったらどうしよう」とドギマギしている僕のような男子もそれなりの数がいたはずです。

　僕の心配をよそに、この時からしばらく実際にチョコを貰うことなどなかったのですが、徐々に本命以外にも渡す義理チョコという日本人らしい気遣いの慣習が生まれたお陰で、僕のようなモテない系男性にもチョコが回ってくるようになりました。20代後半のバブル期には結構高価なチョコを毎年随分と頂いたものです。僕の場合は誕生日と近接していたので合わせ技で貰うことが多く、少々複雑な心境ではありましたが。

　その義理チョコもとっくに全盛期は終わりましたが、それでも未だにお裾分けのようにいくつかチョコを頂けます。ただ問題は毎年のことながら人間ドックに行く時期と重なることです。たださえ年末年始で太り、誕生日でご馳走を食べているのに、とどめを刺すようにチョコの山です。これを全部食べていたら各種検査数値が悪くのは当たり前。せっかく１年かけてダイエットしてきても台無しです。

　と言うことで、今年は人間ドックが終わるまではチョコに手をつけないことにしました。たかが１週間の我慢です。来週半ばに検査が終われば美味しくいただきます。