幹事クリタのコーカイ日誌2019 |
2月4日 ● 鳥人ニッカネンの死。 「鳥人」が死んだというニュースを聞いたときに、「ブブカが死んだ?」と一瞬思ってしまいましたが、ブブカではなくニッカネンの方でした。セルゲイ・ブブカはソ連の棒高跳びの元世界記録保持者、マッチ・ニッカネンはフィンランドのスキージャンプ選手。なんとどちらも1963年生まれ。同い年の「鳥人」が2人もいるからややこしいことになります。 我々は札幌オリンピックの「日の丸飛行隊」に熱狂した世代です。恐らく日本でスキージャンプがメジャーな競技になったのは札幌以降でしょう。笠谷、今野、青地の名前は誰でも知っていました。1970年代、オリンピックの表彰台を独占するくらい日本のジャンプ陣は強くて人気がありました。その日本の日の丸飛行隊ファンを絶望に追い込んだのがニッカネンでした。 ニッカネンの全盛期は1980年代。札幌から10年後の1982年に彗星のごとく登場し、1984年のサラエボ五輪で70m級で銀、90m級で金。そして1988年のカルガリー五輪では個人70m級、90m級、団体90m級の3種目を制して3個の金メダルを獲得しました。この間、ワールドカップでは毎年のように総合優勝を果たします。 日本のジャンプ陣がオリンピックやワールドカップで活躍して表彰台に上がれるようになるのは、ニッカネンが引退した1990年代に入ってから。ニッカネンの全盛期には足元にも及びませんでした。本当に強いジャンパーでフィンランドの英雄でした。ただ人間的にはかなり問題があった人のようで、引退して歌手になったり、結婚と離婚を繰り返したり、酒を飲むと暴行を働き、終いには殺人未遂で実刑判決を食らってニュースになったりもしていました。 もっともそういう面も含めて型破りの人生だったわけで、55歳という若さで世を去ったのも、なんとなくニッカネンらしいかなと思います。ご冥福をお祈りします。 |