節分に恵方を向いて巻き寿司を食べるという文化はごく近年のものです。関西ローカルの風習を商売のために無理やりコンビニが仕掛けて全国区に仕立て上げたものですから、馴染みのない人も多いでしょう。僕は未だに一度も食べたことがありません。

　バレンタインデーもクリスマスも土用丑だって、商売に利用されてきたのですから、今さらそれをとやかく言うこともないと思いますが、昨今問題になっている恵方巻きの食品ロスは何とかすべきでしょう。先月に農林水産省が小売業者の団体に廃棄を削減するための対応を要請したということですが、スーパーやコンビニで大量に売れ残っている様子を見ると悲しくなります。

　バレンタインデーのチョコなら売れ残ってもすぐに大量廃棄されるわけではないでしょうが、恵方巻きは原価が安く足が早い食品ですから廃棄されてしまう量も莫大でしょう。そもそも製造段階で酢飯や海苔などかなりの食品ロスが生じているようです。

　だいたいあんな食べきれないくらい大きなサイズの巻き寿司を１人１本食べさせようという企画自体に問題があります。単価を上げるためにあんなサイズ設定にしたのだとしたら、最初から「モッタイナイ」意識が欠如しています。責任者は出てきてワンガリ・マータイさんに謝れやと思います。

　そもそもすでにブームは過ぎ世間は飽きてきている感じがしますし、このままいくと数年後には恵方巻きも終わってしまっているかも知れません。と言うか、個人的にはこんな訳のわからないものは終わってほしいと願っています。昔のように一部地域の風習ということで良いじゃないかと思うのですが、商売をしている方はせっかくここまで育て上げたのですから、簡単には終わらせないでしょうね。