幹事クリタのコーカイ日誌2019

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1月26日 ● 大坂はレジェンドになれるか。

 大坂なおみが全豪オープンで優勝しました。そして月曜日には世界ランキング1位になります。どちらも本当に素晴らしいことです。ですが、僕は試合を見ていて心のどこかで「これくらいはやってくれるだろう」という期待と信頼もありました。

 そう感じる理由のひとつは大坂の潜在能力の高さです。すでに10代の頃からサービスとフォアハンドは世界のトップクラスでした。まだ当時は荒削り過ぎてまとまってはいませんでしたが、サービスとフォアはテニスにおける最大の武器です。それが備わっているのですから、後は武器の使い方を覚えるだけでした。

 そしてふたつめの理由は成長速度の速さです。頭角を現してきてから、ここに至るまで、とにかく目に見えて成長しています。最初に「体」、次に「技」、そしてこの1年間は「心」が驚くほどに成長しました。今日の試合でも気持ちが折れて崩れそうになる場面が何回もありました。以前ならそのままダメになっていたかも知れませんが、今は立て直す術を身につけてきています。そして全てがまだ完成形ではないのですから、この先どこまで成長していくのか計り知れないものを感じます。

 つまり、大坂がグランドスラムを制するのも、1位になるのも、想定の範囲内、期待通りということです。そしてそれがいよいよ現実になったのが今回の結果です。期待が現実になった以上、次なる期待はさらにその上、大坂が偉大なチャンピオン、レジェンドたちの仲間入りができるようになるかどうかということになります。

 過去にクリス・エバート、マルチナ・ナブラチロワ、シュテフィ・グラフ、セレナ・ウィリアムズといったレジェンドと呼べる選手たちがいました。大坂には彼女たちの仲間入りができるポテンシャルがあると思います。すなわちグランドスラムを20回前後も制し、キャリアゴールデンスラムを達成するレベルの選手になれるかどうかです。

 レジェンドと呼ばれる選手たちがグランドスラムに初めて優勝したのが20歳前後。ジュニアから一気にトップレベルに達しています。そしてその後は常に優勝を争って全盛期が10年以上続いています。21歳で2つ目のグランドスラムタイトルを得た大坂はここまではレジェンドクラスと同じくらいの早熟さです。後はこの全盛期をどこまで長く維持できるかがポイントとなります。

 大坂にとってラッキーなのは、今の女子テニス界が女王不在の混迷の時代だということです。大坂の前には錦織圭におけるビッグ4のような超えなければならない高い壁がありません。成長途上で2大会連続でグランドスラムに勝てるのですから、今後10年でいくつタイトルを獲得できるのか、楽しみでなりません。


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