アンチ巨人としては面白い展開になりました。何でも欲しがる原監督のために巨人がFAで獲得した西武の炭谷の人的補償で内海が、広島の丸の補償で長野がそれぞれ移籍することになりました。巨人フロントとしてはまさか生え抜きのベテランを持っていかれるとは想像していなかったようで内海に対して「いつか巨人に戻ってきてほしい」などと言っていましたが、それを言うと後で困ることになります。

　今回年俸が高いベテランをプロテクトから外したのは「一岡ショック」があったからでしょう。広島の大竹をFAで獲得したときの人的補償が若手の一岡でした。大竹は巨人に来ても完全に期待はずれだったのに対し、一岡は広島で大活躍。若手の育成力の差をまざまざと見せつけられた巨人は、育成の上手な西武や広島に対して若手選手をプロテクトしたようです。

　その結果の内海と長野の流出なのですから「まさか」とか言っている場合ではありません。なのに「戻ってきてほしい」という言質を与えてしまった以上、今シーズンが終わったところで内海がFA宣言をしたら巨人に戻れることになってしまいます。その時に内海の代わりに若手を人的補償で持っていかれたら、働かないとわかっている高齢高年俸の選手をわざわざ金を払って買い戻して、代わりに期待の若手を渡すということになります。戦力ダウンです。

　では若手をプロテクトしたら？またFA権を持つベテランを今回同様に持っていかれて二の舞、三の舞です。選手と他球団に金を払っているだけで、巨人は何のためにFAをしているのか意味がわかりません。そもそも巨人にFAで入った選手の大半が期待通りに働いていないのは過去を振り返ればわかることなのに、それでもすぐにFAに頼るからこんな間抜けな話になるのです。

　FAも使い方によっては選手とチームのどちらにもメリットになる場合もありますが、巨人は無駄遣いばかりです。まず基本はドラフトで取った選手をきちんと育てていくことです。まあ巨人を笑っていますが、育成下手なのは中日も一緒なので、ちょっとは広島を見習ってほしいですけどね。