幹事クリタのコーカイ日誌2019

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1月8日 ● 1億円配るというプロモーション。

 株式会社「ZOZO」の代表取締役社長・前澤友作氏がツイッターで「お年玉として100人に100万円をプレゼントする」と告知して話題になりました。それまで20万人台だったフォロワーは一気に500万人をオーバー。今日前澤社長は当選者全員にDMで当選を知らせたということですので、これで集めた500万人以上のフォロワーがまた一気に離れていく「祭り」も起きることでしょうが、それも含めてかなり話題を集めることができました。

 前澤社長は剛力彩芽との交際で一気に一般の知名度を上げましたが、その後も月に行く話をぶち上げ、さらに今回の1億円お年玉キャンペーンですっかり「お騒がせ有名人」としての地位を確固たるものにしました。もちろんお騒がせキャラであり、決して好感度アップではないと思いますが、無名よりは悪名でも有名な方が良いという考え方もあるわけで、知名度アップとして考えればかなり効果的だったと思います。

 仮に1億円の広告費を使って同程度の知名度アップキャンペーンを計画しても、ここまでの効果を得るのは難しいだろうと思います。もちろんアイデア次第でうまくいくこともあり得ますが、それよりも同じ1億円を使うなら単純にネットを通じてバラ巻いてしまうという明快で下世話なやり方の方が効果的だという現実は、広告に携わる人間としては少々脅威的だと思われます。

 なにせ少額の予算でバズろうと考えてキャッチフレーズや演出を凝って尖ったネット動画をアップしてみたら炎上して撤退を余儀なくされました、という事例がたくさんあるのです。そんな労多くして益少ないことをするなら、「金をバラ巻く」今回の手口の方がずっと簡単。なにせ前澤社長が要した手間はとても少なく、外部スタッフに払う出銭もありません。知恵も要らず手間もかからず余計な出費もないのであれば誰でも真似できます。まさに広告屋泣かせです。

 もちろん二番煎じで今回ほど話題になるかどうかはわかりませんし、法律的、税務的にもいろいろ問題が生じるのかも知れませんが、広告というのは単純でシンプルなメッセージほど強いという原則を改めて認識させられました。


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