幹事クリタのコーカイ日誌2018

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12月21日 ● 羽生善治九段。

 将棋の竜王戦七番勝負第7局が行われ、羽生善治竜王が挑戦者の広瀬章人八段に敗れました。この結果、羽生竜王は3勝4敗となり失冠。この竜王戦で羽生が防衛に成功すれば通算タイトルが記念の100期となることで注目を集めていましたが、逆に負ければ27年間も保持してきたタイトルがひとつもなくなり、ただの「九段」に戻ってしまいます。まさに天国と地獄の竜王戦だったのですが、羽生にとっては悪い方の目が出てしまいました。

 羽生ももう48歳です。棋士としてのピークは過ぎていますが、それでも未だにトップクラスの強さを誇っているところはさすが国民栄誉賞の「永世七冠」。とは言え、ここから再び100期目のタイトルを獲得する「復活戦」は決して羽生と言えども平坦な道ではありません。

 かつて「羽生世代」と呼ばれた佐藤、先崎、丸山、藤井、森内、郷田といった棋士たちも軒並み成績を落とし、羽生が今回タイトルを失ったことで、ついに羽生世代のタイトルホルダーはゼロになりました。A級に残っているのも羽生と佐藤康光だけになってしまいました。

 逆に今はほとんどのタイトルを20代30代の棋士たちが分け合っている状況です。ここに年齢が50歳近い羽生が割って入っていくというのは恐らく想像以上に大変なことで、しかもぼやぼやしているとさらにその下の世代の藤井七段たちが猛烈な勢いで追い上げてきます。普通ならこのまま羽生も落ちていくところです。

 しかし、普通ではないからこそ羽生なのであって、かつての谷川浩司が羽生世代の壁となって孤軍奮闘したように、いや、それ以上に大きく高い壁となって今後も羽生が下の世代に対して立ち塞がっていくと思います。このまま落ちていく羽生ではないはず。100期はもちろん、さらにタイトルを積み重ねていく羽生の復活劇をここから期待したいと思います。


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