幹事クリタのコーカイ日誌2018

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11月20日 ● 日産のクーデター?

 カルロス・ゴーンの逮捕はセンセーショナルでした。突然の有名人トップの逮捕、しかも約50億円もの巨額の報酬隠しとなれば、世間が騒然となるのも無理ありません。ホリエモンが「特捜部はスタンドプレーが好き」だとツイートしていますが、特捜部からしたらこれほどの大ネタは大好物でしょう。マスコミも盛り上がるし、しかも容疑者が外国人なので遠慮なく叩きたい放題できるという島国根性も加わって「祭り」の様相を呈しています。

 ただ冷静になって考えると、これは日産が仕組んだクーデターではないのかと思われても仕方ありません。西川社長は「クーデターではない」と会見で否定していますが、それが余計にクーデターなのかと勘ぐらせてしまいました。なんと言ってもゴーンに報酬を払っていたのは日産自身であり、ゴーンが自ら稼いだ収入をごまかして脱税をしていたわけではありません。報酬を支払っている日産こそが虚偽の報告を続けていただけです。ゴーンは日本に住んでいないのですから報酬を半分に偽っても住民税が安くなるわけでもなく特にメリットはありません。今回の虚偽報告の犯人はゴーンではなく本来は日産のはずです。

 なのにゴーンが逮捕されたのは日産の社員との司法取引があったからということですが、当然この社員たちも個人的な怨恨からゴーンを「売った」わけではないでしょう。日産という会社がゴーンを排除するために司法と手を組んだのだろうというのも容易に推察がつきます。つまりはゴーンにやりたい放題されては困る日産の西川社長のクーデーターだと考えるのが自然な推測となります。

 もちろんクーデーターを起こされるゴーンに隙も弱みもあったことは間違いないでしょう。ただ日産側がクーデーターを起こした背景には、業績が回復してきた日産にとって、ゴーンが進めるルノー、三菱自動車との3社のアライアンス関係が邪魔、もしくは重荷だったのではないかと考えられます。このあたりは僕は自動車業界に詳しい経済記者でもないですし、本当のところはわかりませんから深入りはしません。ただ日産復興の立役者であり日産からしたら大恩人であるゴーンであっても、こうして不要だと看做されれば冷酷に切り捨てられることが起きるのが世の中なんだなぁと、しみじみ世の無常を思いました。


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