幹事クリタのコーカイ日誌2018

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11月13日 ● 大谷の新人王とアメリカの評価。

 大リーグ・エンゼルスの大谷翔平がア・リーグの新人王に選ばれました。日本選手の受賞は野茂(1995年)、佐々木(2000年)、イチロー(2001年)に続き、史上4人目の快挙です。今季新人最多の27本塁打、92打点をマークしたヤンキースのアンドゥハーとの接戦も予想された新人王レースでしたが、大谷の圧勝だったことに僕は驚きました。

 日本選手4人目とは言え、イチローから大谷までかなり間が空きました。その間に松井、松坂、ダルビッシュ、田中など新人としては十分な成績を挙げた日本選手はいましたが、その誰もが新人王には選ばれませんでした。それは日本でトップクラスの選手だったのだから、メジャーでそれなりの成績を残しても当たり前だというアメリカの記者たちの認識の変化があったのではないかと思います。

 パイオニアとしての野茂の衝撃はもちろんですが、佐々木の新人最多セーブ記録、イチローの新人最多安打記録&首位打者というような球史に残るレベルの活躍を見せられたら、もはや日本選手をレギュラーもしくはローテーション投手として普通に頑張ったくらいでは新人王として認めるのは難しくなります。同じレベルの活躍をしたアメリカ人選手がいたら、そちらを新人王にと思うのは、ある意味当然でしょう。

 大谷のライバルだったアンドゥハーは打者としては大谷の数字を凌駕しています。しかも彼は人気球団ヤンキースの選手です。もし日本で巨人のルーキーが主力として大活躍をして、中日か広島に入団した韓国か台湾出身の選手が少々頑張っても、記者の評価は比べるまでもないでしょう。アメリカで同じことが起きたのに、大谷が新人王に選ばれたのは、それだけアメリカ人が「歴史的」「開拓者」「独創性」ということを重んじるからだと思います。

 単純な数字だけで言えば打者として22本塁打61打点、投手として4勝の大谷はそこそこの成績でしかありません。しかし「二刀流」としてベーブルール以来の「15本塁打&50イニング登板」という記録的な活躍ぶりは、まさに一世紀前の伝説を現代に甦らせた歴史的快挙であり現代の奇跡です。数字よりもその「意味」をきちんと評価したアメリカ人記者の判断を僕は驚きと共に称賛したいです。

 右ひじの手術を受けた来季の大谷は打者だけの挑戦となります。打撃に専念した時にどれほどの数字を残すのか、とても楽しみです。


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