半年も練習してきたサックスの発表会もいよいよ１週間後に迫ってきました。すでに１ヵ月前にリハーサルもしたので準備万端のはずなんですが、どれだけ練習を重ねても不安感が残るのが発表会です。一発勝負でやり直しができないし、ステージでの直前のリハーサルもなくいきなり本番。練習ではどれだけ完璧にできていてもステージに上がったら何が起こるかわかりません。

　これまで20回も発表会を経験してきて、様々な失敗パターンを重ねてきました。緊張のあまり膝が震えて止まらなくなったり、暗譜がばっちりできているはずが突然頭の中が真っ白になってしまったり、汗で手が滑ってしまったり、不安だったところをうまく切り抜けてホッとした瞬間にエアポケットに落ちたようにミスしたり。満足できた演奏なんて２〜３回しかありません。打率１割台です。

　もちろん失敗の理由のほとんどは過度の緊張によるものですから、回を重ねて慣れるにつれてミスは減ってきました。少なくとも最初の頃よりはミスを誤魔化せるようになってきただけ進歩です。ミスしても知らん顔して演奏を続けることが一番大事なので、それだけは心がけています。

　今回は時間もあったので、かなり細かい表現にもいろいろと気を遣って演奏しますが、あまり細部に気がいきすぎるとノリが悪くなって曲としての魅力に欠けてしまいます。音楽は表現です。「伝わらない」演奏では表現の失敗ですから、まずは楽しく演奏してオーディエンスに気持ちが伝わるようにしたいと考えています。