幹事クリタのコーカイ日誌2018

[ 前日翌日最新今月 ]

10月27日 ● 資格と経験と実績。

 資格マニアのように多種多様な資格を取っている人がいます。それ自体は間違っているわけでもないし役に立たないとも思いません。なぜなら資格を取るためにはお金を払うだけではなく自ら勉強をする必要があるからで、その勉強自体は自分にとってプラスになることがほとんどだからです。

 僕も大昔には宅建の勉強をしたことがあります。結局実際に試験を受けるまでには至りませんでしたが、不動産広告や住宅メーカーの広告を作る時には、この時に勉強した知識が役に立ちました。またつい2年くらい前にはWEB解析士の初級の資格も取りました。その分野の基本的な知識を身につけていく上では、こうした資格取得のための勉強は基礎をきちんと学べてとても有用です。

 ただ「食べていく」「専門家として仕事をもらう」ためには資格だけでは足りません。大事なのは実務における経験です。これはどの分野でも恐らく同じで、資格を取るというのは入口に立っただけ、スタートラインについただけで、まだプロとして認められたとは言えません。経験を重ね、さらに実績を上げて周囲に認められてようやく本当の意味でのプロなのです。

 僕が長年携わっていたコピーライターという仕事は資格自体ありません。本人が今日から「コピーライターです」と名乗ればコピーライターです。1980年代の「コピーライターブーム」(そんな時代もあったんです)には、そんなレベルの若者がたくさんいました。そして、そんないい加減な若者にも何か仕事が来たりしたのがあの時代の特有なところで、それだけ広告の仕事が潤っていて人手不足だったということでしょう。

 素人であっても仕事をさせて経験を積ませれば、それなりに恰好がついてくるものです。実際僕も同じようなもので、新入社員なんて素人同然なのに会社の名前でクライアントから仕事を依頼され、生意気な口を叩きながら、実際には周りの人たちに教えられ支えられて仕事を覚えていきました。経験を積んで、いくつかの小さな広告賞なども取ると、信頼して任せてくれるクライアントも増えていきます。実績というのは長年かけて築くものです。

 先に書いたように学校に通って資格を取ることを全く否定するものではありませんが、そこはあくまでもスタートラインであり、そこから先に積み上げていく地道な道のりが必要です。そう言えばコピーライターにも養成講座というものがあり、僕も何年間か講師をしたことがありました。当時教えた素人同然の若者たちの中には、いつの間にか僕のようなへっぽこコピーライターを超えていくような人が何人もいました。そう考えるとまずはスタートラインに立つことが何より大事だと思います。


gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」