幹事クリタのコーカイ日誌2018

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10月23日 ● ここまでの『獣になれない私たち』。

 今クールで圧倒的に期待のドラマが『獣になれない私たち』でした。なにより脚本が野木亜希子。『重版出来』『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』と立て続けに素晴らしい傑作ドラマを書いて、僕の中では三谷、クドカン並み、もしくはそれ以上の期待感がある脚本家です。そしてキャスティングの素晴らしさ。主役のガッキーに加えて、松田龍平、田中圭、黒木華、菊地凜子。これだけ個性的で実力もある若手中堅の役者を揃えたらもう傑作間違いなしだろうと思っていました。

 ところがなんということでしょう。想像以上にモタモタとした、そしてイライラさせるドラマだったのです。「逃げ恥」のドキドキもなければ、「重版出来」の疾走感もなく、「アンナチュラル」の深みも感じられません。もちろん面白いところもあるのですが、それを上回る不快感が見る方の心を覆ってしまいます。

 とにかくガッキー演じる晶が「重い」のです。せっかく美人で仕事もでき気配りもできる完璧な女性なのに、周りからそういう扱いも受けずに、ただただ虐げられていて疲れ切っています。それをリアルな演出で延々見せられていると、こちらまでどんよりと暗い気持ちになってきてしまうのです。

 ネットでの評判もかなり悪く、1話目もしくは2話目で脱落したという声がたくさんありました。恐らく期待が大きかっただけに余計に反動でがっかりしたという人が多いのでしょう。「可愛いガッキー」を見たいだけという人もいますが、それならそれでもっと弾けて明るいガッキーの方が良いですし。とにかくガッキーの笑顔が少なすぎます。

 もちろん野木脚本ですから、どこかのタイミングで「ガッキーの反撃」が始まるのではないかと期待はしています。現段階では「種まき」に過ぎず、これから徐々に話が転がり始めて、パズルが合わさるように伏線が回収されるのではないかと期待はしています。ただ明快な勧善懲悪ドラマの『下町ロケット』ではないので、もしかしたらまだまだ暗いパートがずっと続くかも知れず、そうなると視聴者がどんどん離れていく恐れが十分あります。

 まとめてDVDで見たら「傑作」になる可能性もまだ感じられはしますが、それまでに視聴率が下がり切って打ち切りになってしまわないことを今は願うのみです。


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