幹事クリタのコーカイ日誌2018

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10月24日 ● 巨人軍はいつまで「永遠」のつもりなのか?

 巨人の監督に原が就任したことを受けて、長嶋茂雄が「ジャイアンツは、永遠でなければならない」というコメントを出しました。長嶋の引退の時の「わが巨人軍は永久(註:永遠ではない)に不滅です」という名言があっての上でのコメントなので、長嶋自身がそういうことを言うのは良いでしょう。ただ本当に巨人がずっと永遠であらねばならないという「覚悟」は構いませんが、現状認識としては無理というか、間違っていると考えるべきでしょう。

 巨人が「永遠に常勝」だったのは大昔の話です。V9巨人を実現したのは長嶋と王というスーパースターを中心に、ドラフト制度導入以前の選手たちが主力として活躍したからです。ドラフト制度以降に入団した選手たちが主力となってからは、トレードや外国人、さらにはFA、逆指名ドラフトなどの「巨人を勝たせる制度改革」を利用して何とか有力な選手をかき集めてきて、「常勝」とまではいかないものの「そこそこ」勝つことができました。

 そうやって巨人が有力な選手を集めることができたのは、「巨人」というブランド力と他を圧する豊富な資金があってこそ。しかし、今では有力な選手は「巨人」よりもアメリカに行きたがるようになりました。昔なら巨人に集められたスーパースターたちは、みな海を渡ってしまいます。ブランド力も資金力も巨人はメジャーリーグに太刀打ちできなくなってしまいました。ソフトバンク以外の球団にはまだ資金力で優っているものの、巨人は他の球団と比べて選手を集める力では昔ほどの大きな差はないのです。

 有力選手が集められない以上、自前で育てるしかありません。しかし出来上がった選手を集めることに胡坐をかいて育成を怠ってきたために、巨人に入った選手がなかなか育ってきません。日ハムに移籍した大田が好例ですが、他球団でなら活躍できる素材を育てられずに腐らせている可能性が大です。ソフトバンクや日ハム、西武、広島のように若い選手の育成が上手な球団の方が、今ではペナントレースで上位になる時代なのです。

 原に監督が代わったところで、すぐに選手が育つわけではないでしょう。これまでの原の監督としての実績も豊富な戦力を率いてのものでした。むしろ今季岡本を4番として成長させた高橋の方が原よりももしかしたら育成という意味では良かったかも知れません。きっと巨人は外国人やFAでまた戦力を補強しようとすることでしょうが、結局それはまた若手のチャンスを潰してしまうことになります。

 もっとも育てられない上に補強もしない中日というチームを近くで見ていると、なりふり構わず補強する巨人の方がまだマシかもとは思います。ビシエドとアルモンテを来季巨人に持っていかれないことを願っていますが、「マネーゲームはしない」と中日のフロントは明言していますし、はてさてどうなることやら。


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