幹事クリタのコーカイ日誌2018

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10月19日 ● ジュリーのドタキャン。

 ジュリーこと沢田研二がさいたまスーパーアリーナでの公演を「観客が少ない」ことを理由にドタキャンしました。これだけ聞けば大御所のわがまま、ということになります。しかも少ないとは言え9000人のキャパに対して7000人集まっていたそうです。7000人も集まっていたファンに対して申し訳ないと思えば公演をするのが筋というものでしょう。

 デヴィ夫人を筆頭に批判が起こりましたが、これに対してジュリー本人が報道陣の前で説明をしました。実に真摯かつ丁寧な説明で、とても「大御所」の驕りというようには感じられませんでした。ジュリーによればイベンターが観客を埋めると約束したから公演をすることにした、埋まらなかった以上は約束を守られなかったのだからできない、ということだそうです。さらにこれは「自分の実力不足であり自分の責任。今回はファンに甘えさせてもらった」と逃げることなく語っています。

 この言動にはさすがジュリーだなと思いました。公演で観客が少ないからとドタキャンするアーティストはいますが、ほとんどの場合は「体調不良」などの理由をつけてキャンセルします。その方が当然軋轢は少ないしファンも納得しやすいからです。せっかく集まってくれたファンを裏切って、さらにそれに対して「甘えさせてもらった」と正直に語るというのは、それに対する反発も批判も覚悟しての素直な気持ちでしょう。

 ただそれだけファンのことを信じているんだというジュリーからのメッセージを、ファンがどう受け止めるか。ジュリー本人はきちんとわかっているのです。外野がいくら批判しようとも自分のファンはわかってくれると信じているからこそ、ストレートに話したのだろうし、それだけ長年かけて築き上げてきた絆がファンとの間にあるのだと思います。

 アーティストの姿勢というのは、それぞれに違っていて良いと思います。たとえ1人でもファンがいれば、その前で最高のパフォーマンスをするというのも「かっこいい」し、逆に自分が「できない」と思えば、そんなステージを見せられないと貫くことも「かっこいい」です。それに対して支持するかしないかはファンの自由であり、嫌なら離れていけば良いのです。ジュリーの覚悟を見た思いがします。


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