幹事クリタのコーカイ日誌2018

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8月30日 ● 改めてサマータイムは愚の骨頂。

 東京五輪の暑さ対策のためにサマータイムを導入するという組織委員会の提言ですが、これがどれくらいバカバカしいかについては以前にも書きました。わざわざ考えなくてもわかるくらい愚かしい話で、もしマラソンの開始時間を2時間早めたいなら、サマータイムを導入しなくても単純にスタートを2時間早くするだけで済むことです。

 そしてどうやら組織委員会はマラソンのことだけ考えているようで、他の競技団体には何の相談もしていないらしいです(こちら→「サマータイム「無理」 夕方予定競技が酷暑に」)。夕方から開催する予定のサッカーやラグビー、馬術など多くの競技が昼下がりの開催になってしまうのですが、考えるまでもなくサッカーやラグビーを猛暑の炎天下で行うなど自殺行為です。

 それに馬術は人間よりも馬の方がさらに暑さに弱いそうで、午後の暑い時間帯に競技を行うの無理だそうです。人気のマラソンのことしか頭にない組織委員会のトップはラグビー大好きな森喜朗なのに、ラグビーのことは全然考えていなかったのでしょうか?首相時代から「サメの脳みそ」として有名でしたが、それにしても考えの浅さには驚きます。

 さらに愚かしい話なのは、本当に競技の開始時間を変更できるかどうか、ということ。つまり今の五輪の日程というのは全てアメリカのテレビ局の都合で決まっています。真夏に開催しているのもアメリカのテレビ局に真夏のキラーコンテンツがなく視聴率が低迷するからですし、午後に予選をやって午前中に決勝をやるのもアメリカのゴールデンタイムに決勝の時間を合わせるため。

 なので、日本で勝手に時間を変えると言ったところで、アメリカで都合の良い時間になっているものを変えられない可能性が高いのです。日本の午前7時〜10時がアメリカの午後6時〜9時のゴールデンタイムなのですから、2時間ずらしたらまだアメリカは夕方4時〜7時で仕事中です。そんな時間に人気競技の決勝をやるなんて決してアメリカのテレビ局は納得しないことでしょう。

 もし強引にサマータイムを導入しても、競技時間の変更ができないのなら何の意味もありません。全く無意味なことを導入するどころか、こうして検討しているだけでも無駄です。早くこんな愚策は破棄してもらいたいものです。


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