幹事クリタのコーカイ日誌2018

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8月6日 ● 無意味なサマータイム。

 政府が東京五輪の暑さ対策にサマータイムの導入を検討しているそうです。聞いただけで「バカじゃないの?」と思う愚策をどうして真面目な顔して検討しているのか、全く意味がわかりません。単に昔から自民党が何度も導入したかったサマータイムをやるためにオリンピックを利用しているだけです。

 まずサマータイムが競技の暑さ対策になるかどうか?考えるまでもありません。サマータイムにしたら日本の気温が下がるとでも思っているのでしょうか。朝8時スタートの競技が6時からになるから涼しくなる?だったら競技時間を朝6時スタートにすれば良いだけの話です。なぜそのために全国民が時計を2時間早めなければならないのでしょうか?

 そもそも東京五輪は東京とその周辺自治体だけのイベントであり、ほとんどの地域では関わりがありません。それなのに北海道でも沖縄でも一律にサマータイムを持ち込まれるのは単なる巻き込まれであり、随分と傍迷惑な話です。しかもたかだか1ヵ月のイベントのために、なぜ2年もサマータイムに付き合わなくてはならないのでしょう?百歩譲って継続的にサマータイムを行うなら理解できなくもありませんが、時限的なサマータイムは余計な手間がかかるだけです。

 サマータイムは睡眠不足を招きます。睡眠のリズムが崩れるので体調を崩す人が増えます。たださえ今は「睡眠負債」が問題になっているのに、この上、睡眠の質と量を削って国民の健康を阻害するような制度を無理やり導入するなんて百害あって一利なしです。

 サマータイムは労働時間の増加を招きかねません。まだ日の高いうちに勤務時間が終わってしまいます。17時が定時の会社なら実際には15時に終わります。暑い中、外に遊びに行くとでも?飲みに行くにしても日が高すぎます。3時間飲んで店から出てきてもまだ外は明るいのです。それでハシゴなんかしていたら、飲み過ぎる上に翌朝は実際には2時間早起きなのですからロクなことにはなりません。

 サマータイムを導入するためにはシステム的にも膨大なコストがかかります。昔のように自分や家の時計の針を動かすだけでは済む時代ではありません。コンピュータでほとんどのシステムが動いている以上、そのメンテナンスの大変さとエラーが起きた時のトラブルの大きさを考えたら、サマータイムの無意味さがより際立ってきます。

 サマータイムの効果として昔から言われているのは明るい時間帯に活動することによる「節電」効果ですが、今は暑い時間帯に活動することでエアコンがフル稼働になってむしろ電気をより消費してしまうのではないかと思います。少しでも涼しい夜間を有効に活用する「逆サマータイム」の方が、もしかしたら節電にもなるし健康被害も防げるのではないでしょうか?そうした試算もせずに闇雲に導入するのは本当に無意味で無駄だと思います。


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