幹事クリタのコーカイ日誌2018

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8月25日 ● 腕を振り切る難しさ。

 よく野球のピッチャー、特に若手が「腕を振り切ることだけを意識しました」というようなコメントをします。ボールを置きにいくようなピッチングをしたくない、したらダメだということです。このコメントをつい「ふーん」と聞き流しがちですが、実際に腕を振り切って投げることってかなり難しいと思います。

 例えばダーツの時に腕を振り切って投げる人はいません。バスケットのシュートも同様です。全力投球してフリースローを決めるのは至難の技です。もっと身近な例で言えば数歩先にあるゴミ箱にゴミを投げ入れるのに、大きく振りかぶって全力で投げる人もいません。

 コントロールが必要な時には当然威力は無視します。どんなに速いスピードで投げてもダーツの得点は変わらないからです。ところがピッチングは違います。ボール1個、時には半個分の精密なコントロールを要求されているのに、威力もマックスが必要なのです。腕を振り切って150km/hの速度を出してなおかつコントロールも大事って、どんだけ無茶なことかということです。

 テニスの場合も同じような技術が必要です。サービスでもストロークでもプロになるとオンラインのコントロールを求められますが、だからと言って威力を落としていいものでもありません。200km/hのスピードを出しながら、細心のコントロールが必要なのです。しかもそれを素手ではなくラケットという道具を使ってやっているのですから、もはや神の領域です。

 我々レベルであっても本来はしっかりラケットを振り切ってボールをコントロールする技術が必要です。ラケットを振り切ってボールに回転をかけるからこそ、ボールの軌道が安定して狙ったところに飛んでいくからです。ところが頭ではわかっていても、これがなかなか難しいのです。なぜならしっかりラケットを振り切って、なおかつきちんとラケットの真ん中にボールを当てて、狙っている方向にボールを飛ばすというのは相当練習をしないとできないからです。

 テニス初心者どころか中級者になっても、ラケットをボールに当てにいって振り切らずに力加減だけでコントロールしている人ばかりです。と言うか、ラケットをしっかり振ってボールをコントロールできるようになったら上級者なのかも知れません。しっかり振り切って20球連続でサービスを入れるという練習を山本麻友美プロに教えられて時々やっています。100球近く打たないと成功しません。本当に難しいです。


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