幹事クリタのコーカイ日誌2018

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7月12日 ● 錦織の天敵ジョコビッチ。

 錦織が初めてウィンブルドンで戦った準々決勝。しかし、そこにはまたジョコビッチという高い壁、というよりは天敵が立ちふさがりました。決勝まで進んだ2014年の全米準決勝でジョコビッチに勝って以降、錦織は全くジョコビッチに勝てなくなりました。今回でなんと13連敗です。フェデラーよりもナダルよりもジョコビッチが苦手なのです。

 今回の試合でも全くチャンスがなかったわけではありません。1セットオールになった第3セットの2-2の後の5ゲーム目。ここまで全くスコア的には互角ながら、錦織の方がジョコビッチを追い上げていました。ジョコビッチのサービスゲームで0-40と3本のブレイクポイントを握りました。ここをブレイクすれば一気に波に乗ってこの試合を勝てるかも。見ているファンはみんなそう思ったことでしょう。

 しかし、ジョコビッチが強いのはここからでした。それまでの何となくしっくりこない感じのテニスから一段とギアを上げてきました。錦織をプレーでも気迫でも圧倒して3本のブレイクポイントをセーブして、キープに結び付けてしまいました。そのまま落ち込んでテニスがダウンした錦織は逆に次のサービスゲームをブレイクされてしまいます。これでこの試合は勝負ありました。後は予定通りにジョコビッチが試合をきっちり締めて、いつものように錦織は善戦するも力の差を見せつけられて大会から姿を消すことになりました。

 確かにジョコビッチは強いです。オールラウンドで隙がありません。フェデラーよりもナダルよりも欠点らしい欠点がない選手です。しかも錦織の武器であるバックハンドの打ち合いになっても、ジョコビッチの方が上回ってくることがしばしばあります。似たタイプのプレーをしながら、全体に錦織よりもパワーも精度も優っているのですから、錦織が一歩でも気持ちで引いてしまったら勝ち目がないのは当然です。

 錦織がグランドスラムでもマスターズ1000でも優勝がないのは、4強、とりわけジョコビッチに阻まれている部分が大きいです。だから本来なら昨年後半からジョコビッチが故障でツアーを離れ、復帰しても本調子を取り戻せなかったこの半年あまりの間がチャンスだったのですが、同時期に錦織も故障でツアーを離れてしまいました。このあたりもまたジョコビッチとの相性の悪さを感じさせます。

 サービスが良くなって芝の戦い方に活路を見出した錦織。ベスト8は健闘したといって良いでしょう。足りないところを考え、肘の痛みを治して、得意のハードコートシーズンで活躍してほしいです。


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